「ちょ、ちょっとおなまえ??」


休み時間、テストの勉強でもしていたのか本を読んでいたのかは分からないけれど、マティスくんの背中に抱き着いてみた。いきなりだったからびっくりしたみたいだ。もちろん逃げようとしたから腰を掴んで阻止する


「ほっそー。なにこれ」


「おなまえ!」


ム、とやめろとでも言いたかったのか、こっちを向いたマティスくんだけれど俺との近さに驚いてすぐに前を向いてしまった。


あー、かわいい


「マティスくーん、、このまま寝てもいー?俺寝不足でさあ、」


肩に顎を乗せて、手元を覗く。どうやら勉強していたらしい。もうすぐテストだもんね。えらいえらい。俺は眠たい


「ダメだよ、もっと重くなっちゃうじゃない」


「このやろう、ミラちゃんだったらOK出してるくせに」


「出してないよ…!」


「マティスくんの意地悪ー―…」


やばーい、ねむーい。マティスくんあったかーい……。人肌が恋しいぜー。ゆっくりかつ自然に瞼が下がってくる。このまま授業受けてやろうか



「おなまえ?」


「……んー……?」


「もう………ちょっとだけだからね」


「ふ………お人好し」


ため息に混じって、小さな声だったけれど、おやすみと確かに聞こえた。やっぱりかわいいわコイツ…目ー覚めたらちゅーしてやろう



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