きっと、いつか | ナノ


肆◇中庭


ついに、部屋から出ました!
初めて中庭に降りてみた。

「うーん…!外ってやっぱりいいね」

全身で伸びをして、身体をほぐす。
真冬だからかなり寒いけど、今はそれも気持ちいい。

「はい、天気もいいしよかったですね」

千鶴ちゃんも横で、同じく伸びをしている。

「楽しそうなのはいいけど、部屋から出られたからって余計なことしないでね。
変なことしたら、斬っちゃうから」

「しません!私、逃げませんから」

部屋から出る時は幹部と一緒、との条件で
今日は総司が私たちの付き添い。

相変わらず、千鶴ちゃんを揶揄うのが好きなんだから。

「総司、そのへんにしときなさい?
可愛い子だからって、ちょっかいかけないの。
千鶴ちゃんも、真に受けちゃダメよ」

「もう、小夜さんは面白くないなぁ。
千鶴ちゃんくらい素直になれないの?」

「私に素直さを求めないで?
一応これでもいい大人なのよ、色々あるの」

そうそう、つい忘れがちだけど
この新選組の幹部のほとんどは、私より年下だ。
みんな敬語なんて使ってこないし、遠慮ないけど。
でも背負っているものがあるからか、現代の若者より大人びて見える。

「え、小夜さんってそんなに年増なの?いくつ?」

「総司、女性に失礼だろう」

いつからいたのか、一くんも会話に入ってくる。
………みんな、暇なの?

「別にいいけどね、気にしてないし。
今は26歳よ、あ、でもこの時代って数え年だっけ?
そしたら27歳…いや、元日が過ぎたから28歳…?!」

26歳と28歳だと、心持ちがかなり違う。
うわぁ…かなりショックだ…。
でも現代では26歳なのは事実だし、26歳で通そう。

「ふーん、土方さんと一つしか変わらないんだ。
気にしてないって言いながら、気にしてるよね。
大丈夫、小夜さんが年増でも誰も困らないよ」

「総司!……まったく…すまない。
だが、俺も気にしなくていいと思う。
その、小夜さんは十分、キレイだ」

「ありがとう、一くん!」

一くんの気遣いに心が洗われる。
そんな私を見て爆笑している総司。
結局、私まで総司に思い切り揶揄われてるし…。

もう!ホント失礼なんだから!



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