#「・・・・・ん!!?」
「・・・・・ん!!?」
なんか暑い!と心の中で叫びながら起きた。バッと目を覚ましてみればあら不思議。シングルのベッドにムキムキの巨体と私とがおさまっているではないか。そりゃ暑いわ。というか!
「ちょっと!?ベッドに寝ていいとは許可した覚えないんですけど!」
「・・・・・・・・・」
「超ぐっすりじゃんこの人・・・・」
しかもめっちゃ狭い・・・・あとドキドキするからやめてほしい。異性に弱いんだよね、基本的に。惚れっぽいってわけじゃないけど、イケメンが隣で寝てるんだもんね〜驚きだしドキドキもするわ。
まあガチマッチョなので本当に狭いわけですけど。つーかなんでソファからこっちに来た。ソファで我慢しろよ寝心地あんま変わらんだろ
驚きからか羞恥心からかうるさい心臓に顔を顰め、とにかくベッドから抜け出そうと試みる。だがこれまたムキムキの腕が脇腹に乗ってて正直動かせない。重い。さ、さすが筋肉・・・・!
「ふんぬ!!うぉおお!」
「・・・・・・・・・・」
「アッ、ちょっと今力強まったわ起きてるんでしょうマスルールさん!!」
「おはよう」
「おはようございます。もうこの際ベッドになぜ居たかは訊きません。私を解放するのです」
「断る」
「なん、だと・・・・?」
しかしこんなイチャイチャ(?)してる場合ではないのは確かである。
なんとか攻防戦を繰り広げて見事勝利した私は、朝から何やってるんだろう・・・という謎の脱力感と共に、着替えようとする。だが私とて年頃の女であるし、部屋にマスルールさんがいる状況で着替えるのはちょっと恥ずかしい。ていうか結構ハズい。
なので追い出そうとしたら「着替えればいいだろう」とか言われてほんとに(゚д゚)!てなった。
いやいやあんたが居るから着替えられないんですって。まさか着替え見る気なのそうなの?
「せめて後ろ向いてくださいよ。というかそもそもなんで起きたのに私の部屋から出て行かないんですか?」
「なんとなく」
「まあそうだろうとは思ってましたけど!」
マスルールさんが後ろを向いてくれている間にちゃちゃっと着替え、部屋の近くに誰もいないことを確かめてからマスルールさんを無理矢理食堂へ。誰かに見られたらたまったものじゃない。マスルールさんが使用人の部屋から出て来ようものならさすがにそれは問題だ。
「今日は会議があるんでしたっけ。時間厳守ですからね」
「・・・・・・・あぁ」
「間に合わなかったらジャーファル様からお𠮟りがきます。ついでに言うと私にもくるんで本当に時間だけは守ってください」
「・・・・・・・・・・」
「え。なんで返事してくれないんですか!?ちゃんとしてくださいよ会議ぐらい!」
「コナギが呼びにくれば問題ない」
「労働と賃金があってないですよねマスルールさん専属って・・・・」
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