版権2 | ナノ
まず最初に言っておく。これはおそ一ではない。
そういうと弟たちのうち約2名が「じゃあ一おそですねわかります」なんて声を揃えて言うだろうが、もちろん違う。
俺、おそ松はゲイでも腐男子でもない。いわゆるノンケというやつだが、たまたま弟のチョロ松のことを好きになった。性別なんて関係なくてただチョロ松を好きになった。
そんな風にチョロ松にぞっこんラブな俺が一松なんかに浮気するだろうか? 答えはもちろんノーだ。
ではこの状況は何なのか?
可愛い弟のために一肌脱いだだけである。
「あいつぶち犯す」
もはや手のつけられない状態になった一松にまあまあとドクぺを渡してやる。あいつ、というのはもちろんカラ松のことである。
この一松という弟は、ずっとずっとカラ松のことを好きだった。あとそのぐらいの頃から腐男子でもあった。このことを知っているのは兄弟の中でも俺ぐらいだろう。
なんで俺がそんなことを知っているかって?
そりゃあおそ松兄さんですから。こういうのはおそチョロの方ならじっくり語りたいけど、一松のことなんてそんなに語っても、ねえ?
下手に語って一おそだのおそ一だの言われたくもない。俺はおそチョロ一筋だからな。
そんなわけで事情を知っている俺はたまに一松のガス抜きをしてやっていた。でないと本当にぶち犯しそうだし、カラ松萌えをこじらせ過ぎてやばいらしい。
で、そろそろガス抜きの時期かなあと思っていたら間に合わなかったらしく。一松はカラ松に思いを伝えてしまい、でもなんやかんやあったけどハッピーエンド。2人はめでたく付き合い始めましたとさ。
だった、はずなのだが――
「カラ松ぶちおか」
「お前さっきからそれしか言ってないから」
なんていうか、くっつく前にこじらせ過ぎたんだろうね。
結局ガス抜き役に俺が呼ばれたのだった。
ちょうどカラ松も「チョロ松と萌え語りしたい 」とかごねてきてたからいいんだけどね。俺も腐男子だったらチョロ松もっと楽しいのかなとか思いもするけど、そこの部分でまでチョロ松独占してたらやばいし。
で、一松が何をするかって言うとこれもやはり萌え語りなんだけれど。8割がカラ松萌えで残り2割が他の兄弟萌えという偏り具合だ。
付き合ってるんだから本人に言えよと思うのだが、それまでにこじらせ過ぎたらしく、本人にはとても言えないらしい。爆発しろ。
「お前ほんとカラ松のこと大好きな」
「まあね」
「本人にも言えよ。あと腐男子カミングアウトしたら?」
「は?なんで」
「え……な、なんとなく?」
ちょっと一松さんその目怖いんですけど犯罪者の目なんですけど。
「カラ松に嫌われたら兄さん責任取れるの?」
いや、お前カラ松がお前を嫌うわけないだろ。あいつお前のこと大好きだぞ。
だいたいあいつも腐男子なんだけど。
だが一松の目があまりにも怖かったのでこの話はここでやめることにした。
「トド十が一緒に遊びに行くとか言ってきゃっきゃうふふしてて天使かと思った」
「お願いだからカップリングじゃなくて名前で呼んで弟でしょ」
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