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どうもこんにちは松野チョロ松です。腐男子歴はざっと十年くらい、かな。結構隠せてたんだけど、さっきはうっかり叫んでバレちゃいました。
うちの長男にバレちゃったから長男にだけは隠す必要がなくなって結構腐ったことしゃべるようになって、口が緩くなってたみたい。
まあ仲間だったしいっか!みたいな!

カラ松は僕らのことを気にしてたみたいだけど、僕としては一カラ……じゃなくて、一松とカラ松のことが萌え……じゃなくて、心配です。だって萌え……兄弟だからね。


そんなわけで、カラ松を送り出したあと。こっそりと後をつけることにしたのです。


仕方ない。だって心配だから。



一松はわりとすぐに見つかった。よく猫に餌をやっている路地裏にいたらしい。僕は見つからないようにそっと物陰から様子をうかがった。

「あの、一松」

おそるおそる、といった感じにカラ松が声をかけると一松は冷たい目をカラ松に向けた。それだけで泣き出しそうに声を震わせて、それでもじっと一松から目をそらさない。そうだ、頑張れ。カラ松、お前ならできる。
握りしめた手のひらが汗ばんでいることに気づく。僕がこれなんだから、きっと当事者たちはもっと大変なんだろうな。

「その、逃げてごめん」
「……別に、気持ち悪かったんだろ」
「びっくりして」
「それで? わざわざフりにきたの?」
「ちが、」
「ふーん」

一松が、カラ松を壁際に追い込む。
壁と一松に挟まれるようになってカラ松は涙目になっているようだ。これ、壁ドンってやつだよね。でも萌えっていうよりもなんだか怖い気がする。


「『まだわからない』」

「っ」

「『でも好きになるかもしれない』」

「いち、まつ?」

「そんな風に期待させて、でもやっぱりダメだったって離れてくんだろ。兄弟に戻ろうって言うんだろ。そんなの最低だろ。俺は無理だよ。あんたを兄なんて思えない。フるならとっととフればいい。そしたら俺は生きていけないから死ぬ。あんたのせいで死ぬんだ。あんたが殺すんだ――だから、さっさと殺せばいい」


そう言った一松は、もしかしたら泣いていたのかもしれない。





「わかった」




カラ松が強い口調で続ける。

「俺はお前を失いたくない。……でも、お前だからだ。他の兄弟がこんなことをしてきても、何も変わらなかっただろう」


「一松が泣いてるのを見て、萌え……じゃなくて、えっと、ときめいた。俺のために泣いてるんだと思ったら、嬉しくなった」


「だから、その、俺もきっと一松のことが好きなんだと思う」





「たぶん性的な意味で」



なにこのひどい告白!









そんなわけで。松野家にまた1組のカップルが誕生したようです。
これ以上は、気になるけど覗き見みたいだし、僕は帰ることにする。あとでカラ松に根掘り葉掘り聞けばいいわけだし、十分すぎるものを見せてもらった。

帰ったらおそ松兄さんに聞いてもらおう。このあふれんばかりの一カラ萌えを吐き出さないことには、ちょっと日常生活に支障をきたす。


このままトド十もできあがらないかなー。でも妄想が楽しいし十四松は天使すぎて汚せないしなー。




※おまけ

「兄さん兄さん大事件!」
「おーどうしたチョロちゃん」
「やばいよやばいよ」
「出川かよ」
「一カラができあがった」
「へー(棒)」
「いや僕の妄想じゃなくてガチなんだって」
「へー(棒)」
「やばいよ萌えない?」
「俺の萌えはチョロ松だからなあ」
「――ばかっ」


*おそ松兄さん

チョロ松にずっと恋心を抱いていたが基本はノンケだし腐ってもいない。ひょんなことからチョロ松が腐男子だと知り、その後から付き合うように。付き合ってからはチョロ松が一方的に萌え語りしてくるのを聞き流している。
とりあえずチョロ松大好き。チョロ松の妄想内でなら受けでも許す。




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