短編 | ナノ 「すぐ気持ち良くしてあげますよ」*


再び両腕は不自由なものへと戻った。抵抗すれば良いのだと思いつつも、女子供には手を出せないという昔気質なところが災いしたのだろうか。
この少女が満足するまで付き合ってやるのも悪くないかもしれない。そう思った時、少女が柊の腿の辺りに跨がったことに気が付いた。

「……え」

スカートからは白くて細い足がチラリズム。
……じゃなくて、女の子がそんな、はしたない。言葉も出ない。柊はただ無言で少女を見つめた。

少女は「大丈夫ですよ」と何が大丈夫なのかわからない励ましの言葉をくれた。
君、まだ高校生だよねとか、自分の身体をそんな風に扱っちゃいけないよとか、思い浮かぶ言葉はどれも声にはなってくれなかった。

慣れているのか、彼女はふふと不敵に微笑むと、柊のズボンに触れた。咄嗟に押し退けようと手を動かすが――そういえば繋がれたままだった。
やめろ、取り返しのつかないことになる前に。そんな言葉はやはり音に成らなかった。


「――っ」


白く細い手が、ズボンの上からそこを撫でる。手錠に繋がれた自分。その自分に跨がる女子高生の白い肌。倒錯的なそれが、より気持ちを高ぶらせる。

二度、三度、と撫でられていくうちに興奮が高まっていくのがわかる。知らず息を止め、声を押さえていた。


「勃起してきましたね」


女子高生がそんな言葉を使うな。

けれどその言葉にまた身体が熱くなるのがわかる。なんだ、自分はいつもこんなに熱くなっただろうか。


「ようやく効いてきたか……シュウさん、すぐ気持ち良くしてあげますよ。ほら、僕ももうこんな、だから」



どこか虚ろな声と共に少女がスカートの奥を柊の腿に擦りつけた。
それは恥丘を隠す柔らかい下着……ではなく、不自然なまでに硬い、棒のような何かだった。


「え」


お前、男の子?

口に出さずとも柊の台詞がわかったらしい少女……いや、少年は、微笑みながら頷いた。


「僕、女の子なんて一度も言ってないですよ」


たしかにそうだけど!



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