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猫、捕獲される(宮竹、猫化)* [ 126/196 ]

おそらく自分は一生分の運を使い果たしたに違いない。
他人が聞けば大袈裟だとしか答えないようなことを、宮津は思った。


猫耳だ。

想い人の猫耳姿だ。

それだけで想い人が男だとか、もういい年をしたオヤジだとか、そんなことは脳内から追い出されてしまう。
無駄な情報を全て追い出した宮津の脳内に残る情報はただ一つ。


可愛い


これに尽きる






   猫、捕獲される





追いかけて追いかけて、ようやく捕まえた竹中が自分の下にいる。竹中は走ったせいで息が乱れ、目が虚ろになっている。
自分もそうなのだがそこはそれ、恋の成せる業といおうか。ひどく色香を含んだものと見えるのだ。


「竹中……」


名前を呼ぶと、ビクリと肩が震える。その反応が悲しく、しかし支配欲が刺激され、宮津はそっと彼の頬に手を触れた。



「か、艦長…っ」



何か言おうとした唇を塞ぐ。思った通り男のものである唇はすこしカサついていて、少しでも水分を含ませようと舐めれば目を見開かれた。
その時宮津はようやく気がついたのだが、いつの間にか竹中の頭部にあった筈の猫耳が消えいた。


「………」


思わず彼の頭をペタペタと触って確かめるが、矢張りない。
……ならば先ほど見ていた物は幻覚か何かだったのだろうか。

竹中が僅かに安堵したのにも気づかず、宮津はならばと何処かから袋を取り出した。



――こんなこともあろうかと、準備はできている




「艦長……?」




嬉々として袋を漁る宮津に、竹中が恐る恐る声をかけた。


宮津は答えずに袋の中身を取り出す。
猫耳のついたカチューシャ、首輪、それから尻尾……

青ざめた竹中が逃走する前に同じく袋に入っていた手枷で拘束する。



「かか艦長っ!!」


彼がそんなに声を荒げるのも珍しいなどと思いながら答える。



「なんだ」

「人が来ます!!」

「来ない」

「おれにはそんなもの似合いません!!」

「似合う」


それ以上文句を言うと五月蝿いのでまたキスで塞ぐ。その最中に頭にはカチューシャをつけてしまう。
舌を軽く噛んだり、絡め取ったり、歯列を舐めたりと、深いキスを繰り返す。

唇を離せばトロンとした目が宮津に向けられる。意識が混濁しているうちに、と首輪もつけた。
軽く首を締め付けるそれを不快に思ったのか、竹中の目がハッキリとしたものへ戻る。



「放せ!!」



いよいよ本気で暴れだすが手枷のせいで起き上がることができないらしい。ならば気をつけるのは足技だなと思った宮津は竹中の両足首を掴み、大きく開かせた。

竹中はもう言葉もなく顔を真っ赤にしている。



「これ、どうするんだと思うかね?」



余裕の笑みを向けながら聞くのは尻尾のこと。毛に覆われた長い部分の先に、明らかに材質の違う個所がある。
本能で危険を感じ取っているだけの彼にはわからないらしく、抵抗を忘れて考え込んでいる。



首を傾げて考え込んだ顔がまた可愛い。勿論そんなことを考えるのは想いの成せる業なのだが。


小瓶を取りだし、中身を掌へ零した。
中にはドロリとした液体と個体の中間のようなものが入っていて、それを指に絡める蕾へと塗り込め始めた。
抵抗しそうになるので自身を握り、力を込めながら脅すと大人しくなった。

入口をよく解しながら、少しずつ中へと押し込んでいく。まだ誰も知らないであろう其処は狭く、異物を追い出そうと宮津の指を締め付けてくる。
それでも根気よく、潤滑剤の力も借りながらどうにか指一本が根本まで入るようになる。


痛みと圧迫感に顔を顰める竹中に、自身へ触れて快感を呼び起こさせるのも忘れずに。



水分を得た其処はだんだんと水音を立て、指の数も増やせるようになっていく。そろそろだろう、と判断した宮津は指を引き抜くと先ほどからほったらかしになっていた尻尾を握り、其処へ近づけた。



「な……やめっ!!」



材質の違う個所は、プラスチックで出来ているらしい。ツルリと中へ入り込み、そこから本当に尻尾が生えているかのように見えた。

「竹中……可愛いよ」



うっとりとしながら囁くとキッと睨まれた。
ならば、と手にしたのは小型のリモコン。



「ひっ!!!ぁ、艦長!?」



ヴヴヴと音を立てて蠢き始めたのは尻尾だった。体内で激しい音を立てるそれに竹中は床に転がりながら耐えようとしている。
耐えられないように最強のメモリへ合わせれば彼の物が弾けそうになる。

目聡くそれを見た宮津は果てることの出来ない様に、指で押さえてしまう。



「……っ、…あ……やめ…」

「おれのペットになるなら、イかせてやろう」



首を振る竹中が気に入らなくて、締め付けたまま自身を扱く。



「は……ぁ、…」

「なるか?」

「……なり、ます……からっ」




その言葉を聞くと同時に、宮津は尻尾を引き抜いて自身を蕾へと宛がった。



「ひっ……――っ!!!」

「狭いな…」



痛いくらいに締め付けてくる其処を無理矢理押し広げて奥へと突き進む。




…やがて、同時に果てた。

   ※ ※ ※




「すみません、副長、艦長を知りませんか?」

「ああ、艦長なら疲れていたみたいだから今寝かせているところだ」




いつもの清々とした笑みを浮かべた竹中の傍に、タンコブをこさえて眠っている宮津がいた。




…そう、ちょっとしつこく追いかけてきたので殴ったとか、そんなことではない

…打ち所が悪かったのかいつまで経っても起きないとか、そんなことではない


…さすがにやりすぎたかと、心配になって宮津の顔を覗き込めば自分の名前を何故だかいやらしく呼ぶから隔離しているとか、そんなことではない




とりあえず早く起きて欲しいものだと思いながら、竹中は自分のやるべき仕事に取り掛かる。自分が出かけている間にどんな寝言を他人に聞かれるかわからないから部屋から出られないのだ。


「……一体どんな夢をみているんだか」



なんとなく嫌な予感がするので、聞かないでおこうと考える。







―END―




はまかぜ様、リク有り難うございました!
遅くなり、こんな出来ですみません;

わかりづらいような気がしますが定番の夢オチです(殴)
夢の中なら何をやらせても怖くないです(調子に乗るな)




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