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最後に一花咲かせてみせようか(シオライ) [ 92/196 ]
「最後に一花咲かせてみせようか、って」
「何、お前死ぬ気?」
まあ止めないけどそこで死なれると後始末が面倒だからちゃんとゴミ袋にでも入って死ぬと良いよ。そしたらちゃんと燃えるゴミの火に捨ててやるから。
「酷いな、ライナってば」
「もしくは王室か、棺の中でお願いします王様」
「別に死なないって」
「ちっ」
「舌打ちするな」
じゃあ何、その最後って。
「何か、ぱーっと死ぬとか。みんなをあっと言わせるとか」
「……英雄になりたいってことか?今以上に?」
「違う違う」
たとえばそうだな、『親友』と逃亡するっていうのはどうだろう。
その一花を咲かせた後は、二人でのんびり暮らすとかね。世間的には死んだも同然。うん、いい考えだ。
「………まあ頑張れば?」
「ライナもな」
「……俺は付き合ってやらんから」
「えー、親友なんてライナ以外にいないのになー」
「友達も、だろ」
「傷付くこと言うなー。まあ冗談だって。俺にはまだやるべきことが沢山あるし」
嘘吐け。お前疲れてるんだろ。ちょっと休め。
「ライナが休みたいだけだろ?」
「……………違う」
「何、その間」
「お前いい加減に…」
「いいよ、たまには休もうか」
(本当は、疲れていたんだろう)
(全てを放り出して彼とのんびり暮らしたいなんて、心の底から思ったから)
(でも、自分は今国王だから)
(最後に咲かせる花は国のために、でないといけない)
(最後に一花咲かせてみせようか、国のために)
―END―
昨日と今日の狭間
台詞×10
08.最後に一花咲かせてみせようか
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