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だけど君のそばにいたいんだ(シオライ) [ 91/196 ]
好きとか嫌いとか
計算とか利益とか
そんなものは一切関係なくて、
「落ち着く」
口に出してみればその言葉は思ったより軽く、それでいて重く響いた。
落ち着く。彼の隣は。彼の傍は。
「――♪」
仕事に耐え切れなくなったのか連日の徹夜が堪えたのか、ライナは眠ってしまっていた。机に突っ伏した彼からは鼻歌のようなものが聞こえてきた。
本来ならば起こすところだけれど、「ライナも疲れてるからな」と苦笑しながら眺め続けている。
幸福、という言葉が浮かんだ。
「――♪」
幸福。
好きとか嫌いとか。損とか得とか。そういうものは何時だって後から付け足した言い訳に過ぎない。
ただ、居たい。
彼の隣は居心地が良い。ただそれだけ。
全ての感情の始まりは内から溢れ出す思いや、欲望。
ただ彼の隣に居れば自分は自分で居られるから。
「――♪」
「あ」
唐突に、ライナの歌がわかった。
それは何時だったかフェリスと一緒に歌っていた事務の歌だった。
「仕事、嫌い?」
「むにゃ……」
眠りながらも声は届いたのか、ライナが頷く。
「そっか…――だけど、俺はお前の傍に居たいから……ま、頑張れ」
返事は聞きたくないけれど。
※ ※ ※
「ま、少しくらいなら頑張ってやるよ」
―END―
原作を意識した結果妙なことになりました
全然意識できてませんねそうですね
久々に書いたシオライです
×未満、+以上…?
昨日と今日の狭間
台詞×10
06.だけど君のそばにいたいんだ
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