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サンタクロース=恋人(銀土) [ 33/196 ]
「メリークリスマス」
サンタの恰好をした銀髪の男がそう言った。
「…………」
見なかったことにして踵を返す。そういえばマヨネーズが切れていたっけ。年を越して数日経ってようやくもぎ取った貴重な休みなのに、マヨネーズがなかったら最悪だ。
辺りはすっかり新年明けましておめでとうございますモードから一転。いつもと何ら変わりない日常へと切り替わっている。正月気分なんてすっかり抜けきったらしい。
しかし俺の正月は今から始まるのだ。餅にはマヨネーズが必要不可欠。やはり何本か買い足しておくべきだろう。
「無視かよコノヤロー」
サンタがまた声をかけてきた。
「サンタに知り合いはいない」
「俺だよ俺」
「俺俺詐欺でしょっぴくぞ」
つーかサンタ遅刻しすぎだろ。
「……だってトシ君年末年始忙しかったじゃない」
「まあな」
「だからクリスマス・大晦日・正月の3大イベントを逃しているわけだよ俺達は」
恋人の一大イベントだぜ、とため息を吐く自称サンタ。
「だから今日から先取りならぬ後取りをしませんかってこと」
あほか。
「だからサンタに知り合いはいない」「恋人はサンタクロースって言うじゃん。お前の恋人を思い出してごらん。それが俺の正体だ!」
「………………」
スタスタスタスタ。
「ま、待って…」
「…………マヨは」
「へ?」
「…………マヨケーキ用意したんだろうな?」
「! もちろん!」
よし。仕方ないからマヨケーキのために行ってやるか。
ゴロゴロなんてものはどこでもできる。それならたまにはサンタクロースと過ごしてもいいだろう。
(クリスマスも、大晦日も、正月も、一緒にいられなかったし)
(その埋め合わせに少しだけ甘やかしてやろうか)
END
年賀状企画でリクエスト頂きました、イチャイチャしている銀土。
イチャイチャできているのか疑問です。ごめんなさい。
2010年 年賀状企画
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