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十年バ●ーカ(シオライ) [ 101/196 ]
爆音のような音がした。それでもまだ惰眠を貪り続けるライナに、そっと髪を撫でる手。
「おい、ライナ」
聞き慣れた声はシオンのものに間違いない。だが、どこか違和感を感じる。
薄っすらと意識を浮上させて、気づく。
声が、ほんの少し低い。
「……何、お前風邪でも引いたの?」
俯いたまま聞く。シオンが笑ったのがわかる。
「こっち向いたらわかるって」
「んー…寝るから後でな」
「いやいや5分以内に向いてくれると実に助かるんだが」
不機嫌そうに振り向けば、そこにはにっこりと気味の悪いくらい微笑んだシオンの顔。
だが……
「…あれ、お前老けた?」
「……老けっ……お前なあ…」
「待て待てお前どうしたんだよ!?何か変だぞ!!?」
そう、違うのだ。おかしいのだ。変なのだ。
…老けた…もとい、年齢が明らかに上になっている。
それも数分、数時間のうちには不可能なほどだ。明らかに数年は経ったような……
「お前過労で歳食ったのか…」
「いやいや、無理があり過ぎるぞ」
「悪魔と契約してその分寿命取られたのか!?」
「……お前が俺のことどう思ってたかよくわかったよ」
そして、シオンは某バズーカのことを説明した。
「……それ他の漫画のじゃ…」
「二次創作は何でもありだからな」
「ニジソウサクって何だよ」
「あ、5分経つ」
シオンは時計を見て呟いた。ライナもつられて時計を見る。
その時、唇に何かが触れた。
「――っ!!」
「餞別」
可笑しそうに笑ったシオンは、爆煙の向こうに消えていった。
「ちっ、もう戻ったか」
「…………」
「ライナ?どうしたんだ?」
「殺す」
次に現れた現在のシオンの首を絞め始めたライナだった。
―END―
咲様リクエスト有り難うございました
よくわからない話で本当にすみません;
***おまけ***
10年後のライナは相変わらず眠っていた。
ここが10年後の世界か、と少し感慨深くなったシオンは周囲を見回した。
とにかくそこにライナがいることを知り、安堵した。
自分たちは10年経っても一緒にいるのだ、と。
「――ライナ」
シオンは眠っているライナの唇に、そっとキスをした。
この思いは10年やそこらで変わらない。
―END―
2006.4.16
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