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キング(シオライ) [ 100/196 ]
――むかしむかし おうさま が いました
王様の名前はシオン。
シオンは誰に対しても優しく、民から慕われる王様でした。友人に対しては少しばかり意地悪でしたが、それでも好かれていました。
だけど……
王様は一人ぼっちでした。
それは夜のことです。城には人の気配が消え、闇が満ちます。
そしてシオンは一人、ベッドに横たわるのです。
それがたまらなく虚しいのです。
だから、シオンは仕事をします。その間は一人ぼっちだということを忘れていられました。
ある時、シオンは城の外へ出かけました。
その辺りは殺風景で、王様が訪れるような場所ではありませんでした。だけど、シオンはそこに出向き、辺りを見回しました。
――にゃあ
猫の声。
「そこにいるのか?」
シオンが呼ぶと、黒い猫が姿を現しました。
「お前も一人なのか」
シオンは猫を抱きかかえると、城へと戻っていきました。
シオンは猫に『ライナ』と名づけました。
ライナはいつもシオンの隣で眠ります。
王様は、ひとりぼっちではなくなりました。
――おうさま は たいせつ な もの を て に いれ ました
―end―
童話風にいこうとして失敗;
駄目だ…私に童話は無理だ;
ドンと来い、100のお題
009:キング
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