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あなたなんていなければよかったのに、なんて笑えない嘘だ(オーフェン・マジオー) [ 146/196 ]









ふと、思うことがある。

…もしかしたら、僕ってオーフェンさんのせいで多大な苦労を強いられているんじゃないかって。


こんなことなら会わなきゃ良かった。そう思った矢先のこと。


キースさんが不思議な鏡を持ってきた。




「これに明け方の4時44分44秒、黒魔術士殿の顔を映せばあら不思議」

「………」

「なんと、映した者の存在が消えてしまうのです」

「ほー。じゃあお前が試してみるか?」

「いえいえ。ここは殺しても死なない黒光りを持つ黒魔術士殿が…」

「俺はゴキブリか!!」



オーフェンさんはキースさんを魔術師でぶっ飛ばし、
その場に残った鏡を(おそらく明日売ろうと考えて)自室に持って行ってしまった。



……あれって本当に効くのかな?


僕はちょっとした好奇心と、「何が起こってもオーフェンさんなら大丈夫」という根拠のない自信から、明け方にオーフェンさんの部屋に向かった。









時刻は4時42分。僕は手に鏡(アンティークなもので、手鏡だ)を構えてオーフェンさんの顔と時計を交互に見た。

…効き目なんてなさそうだし、なんせあのキースさんが持ってきた物だから胡散臭い。でも、僕はその鏡をそっとオーフェンさんの前に置いた。


……あと一分

……五十秒前



……四十








……二十









































「どかーん」





…なんてね








別に爆発音がするわけでもなく、何か変化が起きたわけでもない。


ただ、いつも通りの日常があるだけ。





そんなものか。うん。でも、それでいいんだ。



オーフェンさんが居なくなったら僕は…


よくわからないけど、すごく悲しくなると思うんだ。いつしか彼がここから出て行ってしまったら嫌だなんて思い始めていた。





―続?―



実はこの後一波乱、の予定です(予定は未定ですがね…)


昨日と今日の狭間
 恋する二人に6題



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