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HIT 5300 朋美様へ(オーフェン・キースVSマジク ×オー) [ 145/196 ]
オーフェンは真剣に考えていた。何をかといえばどちらが良いか、であった。
「黒魔術士殿、私特性『もし生き延びられれば美味しいカレー』は如何でしょう」
そう言ってキースが差し出した鍋には、見た目だけは普通のカレーがなみなみと入っていた。
しかしキースの普段の行動と今の言葉を考えれば、中身は自ずと想像がつくような気がした。
そして、もう一人を見た。
「オーフェンさん、そんな変なモノ食べちゃ駄目ですよ!」
金髪の少年──マジクが言う。彼の前にも似たような鍋がある。しかし似てるというのは鍋の形容だけであって、中身はまったく違っていた。
本人はシチューだと言っているが色が茶色い。ならばビーフシチューかと聞けばホワイトシチューだと言う。
そして匂いは…しないから怖かった。
つまり、オーフェンは先ほどからこれに迷っていたのである。
オーフェンは空腹で死にそうだった。もう何日もろくに食べていない。だからどんなものを与えられたとしても食べたと思う。
しかし……
「「どちらか選んでください」」
これだけは嫌だと思った。
「……お前等…俺を殺す気か?」
「まさか。こんな面白い玩具壊せませんよ」
「違いますよ!僕はただオーフェンさんに生き延びてもらおうと…」
どちらを食べても確実に死にそうなのは気のせいだろうか。
「黒魔術士殿!私の愛、受け取ってもらいますよ」
「僕だってオーフェンさんのこと愛してます!」
彼らの論点がおかしいことに、残念ながらオーフェンは気づかなかった。
「バグアップ…飯」
「体で払えよ」
「……」
それからしばらくの間姿を消したオーフェンは、帰ってきてから『乞食の真似事をしていた』とは決して言わなかったという
――
すみません。何やら妙な話に…しかもオチが変です。
朋美様ありがとうございました!ご期待にそえなかったらすみませんm(__)m
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