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いつか見た景色(きたろう・きたねず) [ 159/196 ]

・二人の来世話
・たぶん高校生くらい
・「鬼太郎」「ねずみ男」呼びを貫いてます。本名かは不明
・カプ要素かなり少なめ
・短いです

・何かもう……ごめんなさい偽物過ぎます








酷い悪夢を見た。

真っ青になった顔を鏡に映して渇いた笑いを漏らす。らしくない。
どんなに自分らしくなくても、顔色は変わらない。

後味の悪い夢だ。それが数日続いているのなら尚更。







  * * *



笑って言ってしまえれば楽なのだけれど、そんなことは出来そうにない。あまりに後味が悪く、現実味を帯びていたから言葉にすれば即座にそれが現実になりそうで。
もしもそうなったらそれこそ後味が悪い。

悲しいからじゃない。後味が悪いからだ。そう自分に言い聞かせ、また溜息を吐く。



「ねずみ男?」


「うわっ!」



噂をすれば――別に噂をしていた訳ではないけれど、自分が悪夢で見たその男がそこにはいた。
心臓に悪い。だって自分はまだあの夢を忘れてなどいない。


――ひやりと冷たい腕



「何だよ鬼太郎。驚かさないで欲しいねぇ」



――声を掛けても反応は無く、




鬼太郎は不思議そうに首を傾げている。やはり自分の様子はおかしかったのだろう。

いつもの自分を取り繕おうとしたら、急に目の前の男が歪んだ。
鼻がツンと痛む。



「……お前、どうして泣いているんだ?」



当たり前のように隣にいる存在。
これまでも。きっとこれからも。腐れ縁のようなものだと思っていた。

なのに、どうしてこんなに夢に恐怖するのか。






(お前が死んでいる夢を見たからだ)



冷たい四肢。決してこちらを見ない瞳。そんなリアルな夢。



   ―END―






キタネズを書きたかったのです
何かが違うことは知っています

消化不良……


鼠は前世の記憶を夢で見ているのですが鬼が死ぬ場面ばかり見てしまうのですね。鬼は結構死んでますからその死に様も様々かと思われます。

けれど完全に記憶がある訳ではなく、その夢が鼠の記憶の全てなのです。だから凄くもやもやとしてしまう。

実はそんな話みたいです(え)


鬼には記憶があるんじゃないかな、と思います。たぶん。



「いつかみた景色」
コトノハ様




07.09.24


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