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ぼくらの明日(シオライ学パロ) [ 85/196 ]





「眠い」


 それはテスト中のことだった。






 ライナ・リュート。シオンたちのクラスの担任である。
 いつも眠そうに緩んだ眼は同僚たちの反感を買っているとかいないとか。


 それに加えて口にくわえた煙草。教室内で堂々と煙草まで吸う始末である。


「眠い」

「二回も言わなくてもわかりますよ。で、何で眠いんですか」


 シオンはややあきれ気味に尋ねた。


「いや、昨日せっかくの休みだったのに23時間しか眠れなかったんだ」



 それだけ寝れれば十分では……



「やっぱり24時間は寝たいよな。人として」

「俺は先生となら24時間やっていたいですよ♪」

「は〜眠い〜」



 何度も言わせてもらうがこれはテスト中のことである。


 シオンとかいう生徒が担任を狙っているとか、そんなことはただの授業中ならそれはそれで楽しいイベントの一つになったろう。ちょっとは授業がつぶれるかもしれないのだし。


 だが、今は成績を左右する大事なテスト中。

 シオンにはとおの昔に終わるほど簡単な内容だとしても、凡人には頭を悩ませる問題が山積みなテスト。


 それでも、「いいかげんにしてください!」とは、誰もいえなかった。


 生徒会会長シオン・アスタールを敵に回したところで何の特にもならない。


 ――というか、殺される


 そんなわけで3組は今日も平和でしたとさ。








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