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王(シオン→ライナ独白SSS) [ 87/196 ]






 もしも自分が王でなければ。そうしたらライナを護れただろうか。



 シオンは執務室でため息を吐いた。


「……ライナ」


 目の前で、攫われた。

 いや、いなくなった。自ら、望んで。


「俺のため?」


 王でなければ、民なんて考えなければ、彼をとめられただろうか。とどめておくことができただろうか。この腕に。





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