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白雪姫にキスなんてしない(楯・ヨン竹) [ 13/196 ]
※死後設定
「竹中さん」
ノックの後に数度呼び掛けてはみたが返事がない。どうかしたのかと心配になってノブを回してみると抵抗なく開いた。
無用心というか、無防備というか……
ため息を吐きながら愛しい恋人の部屋に入る。竹中は、どうやらもう眠っているらしかった。
静かに目を閉じている様子を見て、一瞬彼の死に際を思い出す。
――自分が、殺した。
なのに彼は今こうして目の前で眠っていて、それをヨンファはこうして見ている。
彼は死に、そしてヨンファも死んだ。これは都合の良い夢なのかもしれない。本当の自分はもう腐り果てただろうか?
この恋に、未練があって、それを捨てきれなくて、ただ夢を見ているのかもしれない。
その想像が酷く恐ろしく、ヨンファはそっと竹中を起こした。
ただ、キスで起こすなんてお伽話のようなことはしなかった。
白雪姫にキスなんてしない
(生き返ったあなたが他の誰かのところに行ってしまわないように)
‐END‐
久々のヨン竹
2009.05.05
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