版権 | ナノ
さらってしまいたいと(黒バス・黄笠) [ 12/196 ]



「黄瀬くーん」


女子の声を背に受け、笠松の眉間にシワが寄った。
隣に歩いていた黄瀬は「スミマセン」と困ったように笠松に言ってから、その女子のところへ歩き出す。


なんで行くんだよ、馬鹿野郎。

俺の買い物に付き合うって……そっちから言ってきたくせに。ちょっと可愛いクラスメイトだかなんだかわからない女に声をかけられたくらいで……


浮かんだ感情を、打ち消す。
ただの「先輩」の顔で、2人を眺める。

お似合いだな、と素直に思えるくらいには、彼女は可愛らしい容姿をしていた。
対する黄瀬も満更でもなさそうで……少しだけ、優しい表情。



(あんな表情、見せんなよ)


その女子も、少し離れて見ている別の女子も、お前に本気になるだろうが。

そう思って…………打ち消した。








さらってしまいたいと
(無防備な君を見ていると、思う)


2009.07.01

[*prev] [next#]
top
TOPへ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -