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故に、世界が壊れる(ヤンメガ・千→品) [ 157/196 ]



如何にもな優等生と如何にもな不良が初めて訪ねて来たのはいつの事だっただろう(片方の中身は大分違っていたかもしれないし、二人の中身はとても似ていたかもしれないけれど)
当時の僕の世界はちっぽけな、けれどその時にしてみれば十分な、僕の部屋だった。誰も足を踏み入れてこない、安全地帯。同時に寂しい世界。



ある日訪ねてきた見知らぬ二人は、そんな世界に波紋を生んで行った。
そのくせ部屋まで来ないで食事だけしていったり、よくわからない人達。

ぐるぐる悩んで、それでもあの部屋の外へ出ようと思ったのは、やっぱりあの一言が効いたからだ。



──明日学校に来ないなら、足立は二度とここへは来ねーよ



それは、僕がまた「一人」になるということ。

足立さんが来なくなる。
そんなことはないだろうと本当はわかっていた。あの人のことだから、きっと学級委員として諦めずに、少なくとも偶には会いに来てくれる。


けれど、僕は学校に行くことを選んだ。




今、隣を見れば品川君が居て。
その隣を見れば足立さんが居て。

僕は学校に来て良かったと心から思えるようになった。









僕はいつか品川君に言おうと思っている。
「あの嘘、本当はわかってたんだ」と。

じゃあどうして、と不思議そうにする君に、こう言ってやろう。


「足立さんはきっと来てくれる。でも、品川君がもう二度と来てくれないような気がしたんだ」



僕の世界を壊したのは君の嘘。
新しい世界には足立さんと君が居て、今は僕等を隔てるドアもない。



けれどこの世界もやがて壊れる。今度は僕が、壊さなくちゃいけない。


──君に好きだと告げることで、新しい世界を作らなくっちゃ。




─END─



初ヤンメガ。品川君が好き過ぎてどうしようもありません。
千葉→品川に無理矢理持っていったよくわからないブツ。




昨日と今日の狭間
台詞×10
02.故に、世界が壊れる


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