版権 | ナノ
明くる日を信じて(MAR・アルアラ) [ 156/196 ]
「俺はファントムを倒すんだ!!」
また始まった、と仲間達は顔を見合わせた。
「アルヴィスがまたやってるよ…」
「懲りないもんだ」
それはすっかりお馴染みとなった光景。
頭を押さえたアランがアルヴィスに話しかけるのもまたいつもの光景だ。
「アルヴィス……お前な、戦いに参加だけはするんじゃないぞ?」
「何でですか?」
「いや、何でですかって……」
危ないからだよという言葉を飲みこむ。
そんなことを口にしたら最後、盛大に拗ねまくるのは目に見えている。しかもそれにダンナは味方をし、『アルヴィスが可哀想じゃないか』と言い出して終いにはクロスガード全員がアルヴィス派を名乗りアランを責め立てるに決まっているのだ。
……事実、それはわりと頻繁に起きている。
「アルヴィス、ファントムは強いんだ」
「知ってます」
「……お前には到底敵わない」
「知ってます」
「なら――」
「言うだけなら、いいですよね?」
そのときのアルヴィスの目が、子供らしからぬ、大人びた光りを持っていて、アランは不安になる。
――戦争はこの子どもに何を与えた?
「俺は、ファントムには敵わないけど、それを認めるのは嫌です。だから、言うんです――それに、俺じゃなくて皆が絶対倒してくれるから」
そう言って、アルヴィスは子どもらしい笑顔を浮かべた。
「ああ、俺たちが……絶対に倒すさ」
「皆が負けたら俺の出番ですからね」
「バーカ。一生回ってこねえよ」
「………」
「げ」
「アルヴィスが拗ねたぞーー!!!」
そう叫んだのは仲間の一人で、それを聞きつけたダンナがニコニコとやってくる。
ああまた責め立てられるのかと嘆きながら、アランは今のアルヴィスを忘れまいと心に誓う。
――絶対に、あいつには回さない
俺達の代で、終わりにしよう
戦争のない幸せな、優しい世界にしてやろう
だけどその前に…
――あのクソガキいつか泣かせてやる!
見ればアルヴィスはダンナの後ろに隠れるようにしてアカンベーをしていた。
アランは今度こそ謝るものかと少年を睨み付けるのだった。
―END―
ほ、ほのぼのじゃない(滝汗)
ギャグなのかシリアスなのかよくわからない代物ですみません;そして何げに初MAR
捏造バッチ来いです(死)
[*prev] [next#]
TOPへ