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十人十色の告白模様(北→南) [ 43/196 ]



3ヶ月程前だっただろうか、南戸と付き合い始めた。
きっかけはよく思い出せない。たしかヤツの方からだったと思う。

しかし、俺は随分と我慢強かったものだ。

決して自分からはあからさまな好意を見せないように気をつけていた。見せるのは「ただの勘違いかもしれないけれど」という前置きが必要なほどささやかな、ささやかな、好意のみ。
それにゆっくりと、するすると堕ちてくる南戸を見るのは実に愉快だった。


好きかもと呟かれた。そうかと返した。
『いや、その、好き……だ』
流されてはいけないと、今度は真っ直ぐな目がこちらを見た。

さて、俺は何と言っただろうか。
よく覚えていない。が、今はこうして付き合っている。



付き合い始めて3ヶ月。

馬鹿が呟いた。








「お前、いつか俺に飽きるんだろーな」







……どうやら本当に馬鹿だったらしい。






「お前を飽きるわけがない」

「へ?」


ああ、その間抜け面ときたら。



「美人は3日で飽きるが不細工は一生飽きないというのであれば、その破廉恥きわまりない顔を飽きる人間はこの世にいないだろうからな」

「テメェ…!」







いくら触れても足りない。
いくら抱いても足りない。

手放すつもりは、毛頭ない。







(まあ、誰も飽きないとはいえ、貴様などを好きになってやれるのは俺くらいのものだろうがな)



‐END‐

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