ダメダメ戦隊 | ナノ 第19話 UFOを探せ!-前編-


Unidentified Flying Object
未確認飛行物体

つまり、UFO。

世界で目撃されたりビデオに撮られたりしているそれはたいがいが胡散臭い。と、福島蒼は思う。
仮にUFOが存在したとしてもそうたやすく人間に感知されたりするとは思えない。それに宇宙人とやらはきっとその存在を地球人たちに知られたくないだろう。だからテレビ放映されている時点で胡散臭い。
だから、ローカル放送であるテレビKで「発見!楓市にUFO!」なんて放送があっても、信じなかった。

信じなかったのに、そのUFOが目撃された場所に福島蒼が居る理由は……まあ、語るまでもないだろう。



楓市で目撃されたUFOはとある山の方に消えていったという。
オレンジ色の光がジグザグに移動していたというが、まあ胡散臭い。やらせ臭い。
だが、蒼たちはその山に来ていた。

「いいか、お前たち! 絶対に宇宙人かUFOを見付けて帰るぞ!」

先頭を歩く津田紅はそう叫んで、他の3人もそれに「おう!」なんて答える。
……仮にあのUFOが本物だとしよう。
それでも、だ。いくらこの山付近を飛んでいたとしても、何故この山に降り立たなければいけないのか。降り立ったとしてももうどこか違うところに行ったのではないだろうか。
そもそも、こんな間抜けな集団にUFOが見つかるとか、なんか嫌じゃないか。浪漫がない。

そんなことを思いつつ一行の後に続く蒼は、不思議なものを見付けた。
……勿論、UFOなどではない。

不思議な、集団だ。






   UFOを探せ!




「あ」


こちらは5人。向こうも5人。

「先輩」
「またお前か……」

向こうには、なんだか最近バイト以外でもよく会うような気がしてきた、バイト先の後輩金子士郎がいた。
あと前に紅とゲーセンで争っていた少年(※4話参照)と、Eコレンジャーのインタビューという奇特なことをやってのけた山口灰那(※5話参照)が並んで歩いていた。
他に男女2人。どこか苦労症のような顔をしているツインテールの少女に、幼い顔立ちをした少年。少年の方は何故か蒼を熱のこもった目で見つめてくるのだがどういうこっだろうか。面識はないと思うのだが。

とりあえず金子の同級生とか……だろうか。


というか、金子って友達いたんだな。「かい」

灰那ちゃん、と声をかけそうになる紅をチョップで止める。

「あの時俺達はEコだっただろ(ぼそっ)」
「あ、そっか……」

ああいう恥ずかしい集団の1人だとか……絶対に誰にもバレたくないものだ。
他の奴らは使命的な考えで「バレるわけにはいかない」とキリッと無駄にシリアスな表情を作ってはいるが……無視。


「か、海鮮丼が食いたいな」

なんとも無理矢理すぎる言い直しをする紅には、もう1度チョップした。

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