ダメダメ戦隊 | ナノ 第18話 潜入捜査だ-2-


まあ奴らの台詞、そして普段の言動から、何が起こっていたのか推理することはそう難しくないわけで(※蒼限定)
だいたい奴らの考えはストレートに口から吐き出されるわけで。ストレートすぎることと断片的すぎることが問題だが、繋ぎ合わせればどうにかなるのだ。

ということで今回、珍しく頑張った福島蒼の推理を聞いていただこう。


@昨夜、津田紅はTVを見ていた(おそらく深夜)
Aそれはおそらく「悪いホスト」に騙された女性被害者をとりあげたもの
Bだいたいが嘘と誇張で構成されていたであろう番組を、紅は鵜呑みにした
C紅「ホストは悪なんだな!」
D悪のホストを倒すためには潜入捜査(おそらくこれもTVの影響)
E何故か選ばれた自分


……と、まあ、こういう感じで間違いないはずだ。
というのも現在、蒼はホストクラブにいるからだ。もう潜入捜査は始まっているのだ。
「ホストだるい」
思わず呟いてみたものの、時は既に、色々と遅かった。

「ホント助かったわ〜モモちゃんのお友達だっけ? 今インフルエンザ流行ってるじゃない? おかげでうちの子全滅で……」
オーナーは男から見てもかっこいい外見で、スーツなんて着ていたからホストかと思った。
……口を開くまでは。
なんでオカマなんだろう。桃介とはオカマ仲間とかそういう関係なのだろうか。

「それにアオイ君ってアタシのタ・イ・プv」
「…………どうも」

…………今すぐ帰りたくなってきた。

ちなみに、「アオイ」というのは源氏名、らしい。
いつの間にか蒼が来ることになっていたこのホストクラブ。こじんまりとしていて、紅が言うような悪徳ホストとは縁もゆかりもなさそうなこの店は、インフルエンザによる大打撃を受けているという。
「明日には2人復活してくれるからなんとかなるんだけど今日は1人もいなくて……どうなることかと思ったわ〜」
ちょっと待て。まさか俺しかいないんじゃないだろうな。
「あら、大丈夫よ」
「……俺、ホストなんてしたことないんですけど」
「大丈夫大丈夫。『彼』もそうだから」
「『彼』?」
オーナーの言葉に周囲を見回す。と、1人のスーツ姿の青年が目に入る。なんだ、俺以外にもいたのか。それが経験者であろうとなかろうと、とにかく自分だけではないことに安堵した蒼だったが……「タロー君よ。仲良くしてね」

……なんだろう。すごく見たことのある顔だ。おもにバイト先で。

「『タロー』です。よろしくお願いします『アオイ』さん」
「……よろしく」

いやお前タローじゃなくてシローだよね。
すごくそう言いたかったが、言ったら面倒なことになりそうなので気付かないふりをした蒼だった。



(後半に続く)


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