ダメダメ戦隊 | ナノ
第18話 潜入捜査だ
皆さんはホストにどのようなイメージをお持ちだろうか。
女慣れしている。貢いでもらって羨ましい。いやいや俺は堅実な会社員でそれこそが勝ち組だね。うさんくさい。カッコイイ。沢山貢いだが捨てられたばかりだ……などなど、様々な思いをお持ちのことでしょう。もちろん「俺はホストだ」「ホストに知り合いがいる」なんて方もいることだろうし。
さて、今回はホストの話である。
「……ホストだるい」
ついにこんなことを言ってしまった1人のホストの話である。
え? もしかしてそのホストの髪は青くて長いんじゃないかって?
……まずはVTRスタート、ということで。
青年ホストAの憂鬱
日曜日の昼下がり。いつもの公園にいつものメンバー。いつもと変わりない風景の一部としておさまってしまうまでになった、5人組。
福島蒼は大きな欠伸を1つした。
5人組(もちろん蒼も含む)は円になっている。リーダーである津田紅が何かわめいていて、それに他の3人が感心したように頷く。
で、何の話だっけ。また紅のおかしな妄想というか、暴走というか、そんな感じの何かが発端だった気はするのだけれど。
今日も空が青いなあ、と平和を噛み締める。
と、急に紅がこっちを見て、
「……で、いいよな、福島!」
「へ? あ、うん」
何が、と思ったのだが勢いに気圧されて頷いてしまう。
軽率だったとしか言えない。迂闊に何かを許可するなんて。普通に考えて自分が何かに巻き込まれたに決まっているのに。
「ちょうどいいわね、オーナーに知り合いがいるのよ」
オーナー? 草島桃介の知り合いにいそうなオーナーというと……オカマバーのことか?
「俺ミセーネンだし、よろしくな、センパイ!」
藤村太陽が『未成年』と『先輩』をきちんと漢字で書けるのか少しだけ心配になった。
「まあ、アンタ向いてそうだし。平気じゃない?」
綾小路碧がそう言い放つ。え、何に向いてそうなんだよ。まさかオカマバーじゃないだろうな。
「うち門限20時なんだ。だから頼むぞ!」
え、成人してる男が門限? しかも20時っておかしくないか津田。
……じゃなくてお前たちは俺に何をさせる気なんだ!?
「いいか、福島。ホストは女の……いや、人類の敵だ! 女をさんざんみつがせて捨てる奴らなんだ! だから頼んだぞ!」
だから、何を。
こうして本人が理解できないままに福島蒼の1日アルバイト先が決まったのだった。
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