ハロウィンSS(ダメダメ戦隊)
2011/10/31 21:47
※れーむさんへ
いつものように公園に行くと、いつもの奴らがいつもとは違う格好をしていた。
……そうか、今日はハロウィンだったか。
紅は吸血鬼。太陽は黒のタンクトップの上から包帯をぐるぐる巻きにしている……おそらく、ミイラ男のつもりだろう。碧と桃子はどちらも普段通りの格好なのだがどちらも頭に猫耳。猫……娘?
そんな仮装集団の中に混じるには福島蒼はあまりに普段通りだった。なので、くるりとそれらに背を向けた。
まあ普段からあれは仮装集団だったのだが。それでも、今日は特に近寄りたくなかったのだ。
「待て、福島」
けれどそれもすぐに見つかってしまう。まあそうだろうな。思いっきり目合ってたし。
「いいか、ハロウィンとはお化けの格好をすることで他の人間からお菓子を脅し取るという恐ろしい犯罪行為をする集団が現れるイベントだ!それを防ぐために俺たちもお化けの格好をして……」
紅がいつも通りおかしな主張をするのを聞き流す。
「……で、お前は何に化けるんだ?」
「え」
そんな気はしていたけれど。
「だいたいなんでアンタも猫娘なのよ」
「おっさんこそ何猫耳つけてんのよ。おっさんがそんなのつけても萌えないわよ」
「と・に・か・く、かぶってるの!外しなさい」
「そっちこそ」
「あんたが」
「おっさんが」
「じゃあ二人とも違うのにしたらいいんじゃないか?」
「「あ」」
そんなことまでは予想できなかったんだ。
「「じゃあアンタがつけたらいいわ」」
福島蒼、生まれて初めて猫耳をつけた日でした。
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