タイムカプセル（銀土）
2011/03/24 00:20
馬鹿らしいことを書いた。
すごく、馬鹿らしいことを。
「タイムカプセルは三年後に開けるからな」
教卓でダルそうに教師が言うとクラスメイト達からポツリポツリと文句の声が上がる。三年後って何なんだ。微妙だし、少し早すぎる気がする。
三年後の自分に手紙を書けと配られた封筒。中に入るならど何でもいいから入れろ。ただし腐るものはやめろ。そんなことを適当すぎる担任が告げる。さすがに高校生にもなってそんなことをするやつもいないだろう。
三年もたてば自分は大学三年の終わり。四年生目前と言うことか。となると就職活動でもしているのか。
ぼんやりと考えた未来の自分はおぼろげで。たった三年後のことなのに上手く想像できない。
未来の自分に手紙、なんてこの年になって書くことになるとは思わなかった。妙に照れくさくて真面目に書く気になれない。
担任がぼうっと窓の外を眺めながら咥えた煙草から煙を出している。
この男は結局、ずっと変わらなかったななんて思う。
三年経ってもきっとこのままなのだろう。
『卒業しても、好きでいたいです』
たった一言だけ。誓いのように紙に書く。
不安が少しだけ解消された気がした。
―END―
久しぶりに銀土に挑戦した結果玉砕しました。
……ごめんなさい。
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