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あけましておめでとうございます(シオライ)*
2011/02/17 00:39

炬燵でぬくぬくと眠る姿はまるで猫のよう。身体を丸めて、一生懸命に暖をとっているライナを見て思わず顔を綻ばせる。
が、すぐに思い出す。テレビでは紅白歌合戦。シオンの手には二人前の蕎麦。せっかく蕎麦を茹でたりてんぷらを揚げたりとしていたのに、彼はその間に眠っていたらしい。
あーあ、と思いながらまずはほかほかの蕎麦を炬燵に配置する。このままではのびてしまうから、ライナを揺り起こす。
「ライナ、蕎麦茹であがったぞ」
「ん〜」
炬燵の魔力にとりつかれたライナは起きそうにない。そこで、炬燵の温度を最強にしてやる。
笑いを噛み殺しながら眺める。
じわじわと流れる汗。への字に曲がった口。ぎゅっと閉じられていた目が、開く。


「あづっ!?」


「おはよう、ライナ」
何事もなかったように、さりげなく設定温度を下げる。
「変な夢でも見てたのか?年越し蕎麦できてるぞ」
「うー、なんか砂漠彷徨う夢見てた」
「炬燵で寝たりするからだろ」
「そうなのか?」
「そうそう」


まだ寝ぼけているためか、あまり疑わない。
そうなのか、と納得しかけているライナを見て微笑む。

「で、今年ももうすぐ終わるわけだけど」
「ああ、俺さ、夢があるんだよね。年越しの瞬間に○○してました〜ってやつ」
「ああ、仕事してましたとか?」
「寝てましたとか」
「なるほどね。でもライナのことだから毎年やってそうだけどな〜」
「俺は過去のことは振り返らない主義なの」



こんな風にふざけ合うのも今年最後なのだと思うとなんだか不思議な気分になる。きっと来年もこんな風なのだろうけれど。
「来年もよろしくお願いします」
「ん……ま、よろしくお願いします」
向かい合って、お互い、頭を下げる。
そうこうしている間にのびかけた蕎麦。慌てて、いただきます、と唱える。自信のあったてんぷらをライナが口に含むのを見てなんだか口元がにやける。
そういえば、食べてる姿ってなんだかエロいよなあ。なんて。今年最後になるだろう欲情なんてものをしてみたりして。

「なんだよ、にやにやして」
「ん〜?なんとなく。来年の今日もこうしてられたらいいなって」

来年どころか、再来年も、その次も。ずっとずっと、一緒いにいられたらいい。
そう思いながら、やっぱり笑う。
今年も一年、楽しかったり、辛かったり。色々あったけれど。来年もきっとこんな風にすぎていく。
隣にライナがいるように。ちょっとだけ頑張りながら。

「ま、いてやってもいいけどな」


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↓追記はエロ

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