世の中は喧騒で満ちている。
例えば放課後の部活動に励む生徒達の声だとか、例えば教室でお喋りする女の子達の声だとか、例えば行き交う車の走る音だとか、例えば街に流れる音楽だとか、挙げればキリがない。それくらいこの世界は音が溢れているのだ。

『昔は、そんなことなかったのになぁ…。』

喧騒は勿論、高いビルだって、スマートフォンだって、コンビニだって、今は当たり前に存在するものが、遥か昔には存在しなかったのだ。その事実もまた当たり前であるのだけれど、私にはそれが酷く虚しく感じる時があった。

と言いつつも、この世界を生き抜くには便利になった世界の道具を駆使していかなければならない。かくいう私も、喧騒の中の一人に過ぎないのである。


「じゃあ苗字、この問題の答えを…。」


『はい。』


まぁ結局何だかんだで、この世界に溶け込むように私は2度目の人生を歩んでいる。


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