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私がドラゴンボールの世界にやって来て数日。今のところ順調にキャラたちといい関係を築けている。最初は逆ハー補正が聞いていないんじゃないかって危惧したけど、それどころか頻繁にベジットが私のところに来てくれるようになった。お話したり、時にはデンデがいる神殿に連れて行ってくれてゴジータに会わせてくれたりと関係は鰻登りだ。
逆ハー補正ってすごいわ!

あ、それと…


「あ、こんにちは、ナオさん」

「こ、こんにちはシュエちゃん…」


先日、ついにシュエなる人とエンカウントしてしまったの。真っ黒な髪にぱっちりとした大きな目。白い肌にぷっくりした唇。一般的には彼女は可愛いの部類に入ると思うのだけど、問題はそこじゃない。
彼女、あの孫悟飯のお姉さんなんだって。
これってもう夢小説でお馴染みの私と同じ逆ハー主か、傍観主だと思うの。だっておかしいじゃない。そもそも孫悟飯に姉だなんて存在していないし、原作のモブにすら登場しなかった顔なのよ?

どっちにしろ、こいつが傍観主だろうがなんだろうがここでの逆ハー主は私なのよ。もしこいつが逆ハー主なら、確実に私を排除しに来るに違いない。それが夢小説のセオリーなのだから。
そうなる前に、私がこいつを追い出してやる!


「ここでの生活にはもう慣れた?」

「う、うん。みんな優しくしてくれるし、特にベジットは私が寂しくならないようにってずっと一緒にいてくれるの」

「え、あのベジットさんが?」


そう言って俯いたシュエに内心ほくそ笑んだ。どう、悔しいでしょ?自分の取り巻きを奪われる気分はどう?これからあんたはもっと孤独になっていくのよ。好きなキャラが取られる様を指を咥えて見てるがいいわ!





* * *


つい先日にカプセルコーポに落ちて来たという女の子と出会った。
なんというか、控えめに言ってもすごく可愛い子だと思う。ふわふわの髪にぱっちりと大きい目。すらっとした手足に小動物を思わせる仕草はまるでうさぎさんだ。

私、こんな可愛い子初めて見たわ…。いや、ブルマさんや18号さんも素敵な女性だと思うよ?けどあの人たちは可愛いって言うよりどっちかと言えば美人の部類に入るからなぁ…

今日も今日とてブルマさんの手伝いである。ブリーフ博士から、高校を卒業したら正式にカプセルコーポで働かないかって言うオファーがあって、私はそれを受けるつもりだからこの手伝いは言わばインターンのようなものなのだ。


「あ、こんにちは、ナオさん」

「こ、こんにちはシュエちゃん」


どうにか悟飯を振り切ってカプセルコーポにやってきて私は、ラボに向かう途中でナオさんと遭遇した。
にっこり、笑顔で挨拶するものの、どこかぎこちなく返すナオさんに苦笑いした。
出会った当初から、私に対してなんだか一線引いてるというかなんと言うか……はッ…も、もしかして、怯えられているんじゃなかろうか、私。わぁ…ショック…


「ここでの生活にはもう慣れた?」


どうにかショックを払拭しようと会話を試みる。ぎこちなくではあるものの、少し笑って答えてくれてことに胸がぽかぽかした。女の子可愛い。


「う、うん。みんな優しくしてくれるし、特にベジットは私が寂しくならないようにってずっと一緒にいてくれるの」

「え、あのベジットさんが?」


マジか。ただの変人変態宇宙人だと思ってたけど、そっかそっかぁ。あのベジットさんがねぇ。てことは、これは一目惚れという事だよね。ね!?こんなに可愛い子だもん、惚れないはずはない。私が男なら確実に惚れてたわ。

……ちょっと待てよ。てことは、てことはだよ…?ベジットさんがナオさんに一目惚れしたとして、常に彼女と一緒にいるってことは…?

私の悩みの種が1つ減る…!!

パンパカパーン!!と脳内で盛大なファンファーレが鳴り響いた。素晴らしいじゃないか!ナオさんの様子を見た限りでも、ベジットさんに対して満更でもない感じだしね!ベジットさん、ナオさん、私、2人の恋全力で応援するからね!!

それに、そういうことなら尚更ナオさんと仲良くしたいなぁ!

ナオさんにニヤけ顔が見えないよう俯きながら、どうベジットさんとナオさんをくっつけようと人知れず思案する私であった。






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