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ひとりで悩んだりしていませんか





夜眠っていたら、何やらゴソゴソと私の布団が蠢いた。当然ながら飛び上がるほどビックリしたわけで。蠢いていた物体はぷは!と顔を出した。


「おねーしゃ…」

「な、なんだ悟飯か…ビックリさせないでよ…」


ビビり過ぎてちびるかと思ったし。
うるうると今にも涙を零しそうな悟飯にギョッとしつつ、あやすように背中をとんとんと叩いてやる。


「ど、どったの?怖い夢でも見た?」

「あのね、おねーしゃがね、いなくなっちゃうゆめみた…」


なんとまぁ、小さい子に在り来たりな夢を見たもんだ。ぐずぐずと鼻を啜る悟飯を抱き締めて、言い聞かせるように口を開いた。


「ねぇ悟飯。おねぇの名前はなーんだ?」

「?おねーしゃの、おなまえ…?」

「そ」

「シュエ、おねーしゃん?」

「うん」

「シュエおねーしゃん」

「なぁに?」

「シュエおねーしゃん!」

「そうだよー。ほらね、私はちゃんとここにいるでしょ?だから悟飯が不安がることなんて、なーんにもないんだら」

「えへ…うん!」

「ほら、もう寝な?おねぇが子守唄うたってあげるからね」

「やったぁ!」


私の大好きな歌を小さく歌いながら一定のリズムで背中を叩いてやる。


「頬撫でゆく風はー、おやすみとつぶやいた…」


目をとろんとさせ、瞬く間に眠りについた悟飯に布団をちゃんと肩にかけてやって、私も目を瞑る。


「おやすみ」


小さい子っていうのは、何かしら敏感なものだね。自覚はしていないだろうけど、本能的に私が違う世界の人間だって感じ取ってるんだ。
私がこの世界に生を受けたせいで起きる影響が、この子に作用しなければいい。

どうしてもそう願ってしまうのは、仕方がないことだと思う。






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