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どうしようこの子可愛すぎる





悟飯が生まれて2年の月日が流れた。私は4歳になって、毎日元気良く外を駆け回っています。え、何々?展開が早いって?ご都合主義だよ。


「おねーしゃ!」


そんでもって悟飯は、生まれたときから私が面倒見てたせいか、今じゃお母さんやお父さんを差し置いて私が一番の懐きの対象だったりする。つまるところ、とんでもなくお姉ちゃんっ子になっちゃったわけで。


「なぁに?悟飯ってば、お母さんから出された課題終わったの?」

「うん!だからね、おねーしゃに、みてもらうの!」

「どれどれ、じゃあ私が丸つけしてあげるね」


腕にくっついてる悟飯の頭をなでなでしてから部屋に足を向ける。
悟飯が2歳になってからというもの、お母さんは鬼のように悟飯にスパルタ教育を施していた。傍から見る私でさえドン引きするレベルで。
ちょ、2歳から小学生の問題はダメでしょ…
毎回そんなことを思うわけで。まぁ当然ながら私にも矛先が向いてお母さんから鬼畜レベルの量の課題を出されたりするんだけど、問題の内容は前世のとあまり変わらなかったのが救いかな。こう見えて精神年齢うん十歳ですから?余裕のよっちゃんですけど?

で、終わったらお父さんにこっそりと稽古をつけてもらってるの。前に一度お母さんに見つかったときは、こっぴどく怒られちゃったからね。


「悟飯は頭いいねぇ。全問正解。すごいよ」

「えへへ、おねーしゃ、あそぼ!」

「いいよー。何して遊ぼっか?」

「えっとね、えっとね、ぼく、おはなばたけいきたい!」


おおぅ、我が弟ながらなんてメルヘンな場所を選択したのか。でもまぁ、キラキラと曇りなき眼で見つめられたら首を縦に振るしかないよね。仕方ないよね。弟大好きですがなにか。こんなかわゆい弟世界に一人だけしかいないと思ってますけどなにか。


「わかった。おねぇが連れてってあげるよ!だけどおねぇとのお約束」

「おそらをとんだことは、だれにもいわない!」

「よくできました!よし、行こう!」


さっとお母さん宛の置き手紙をテーブルに置いて、悟飯と一緒に家を出る。
ちなみに念願の舞空術は私が3歳の頃に習得済みである。頑張ったんだからね!褒めてくれてもいいのよ。


「わぁ、たかいたかぁーい!」

「ちょ、悟飯!あまり動いちゃダメ!落っこちてもいいの?」

「いやー!」


あはん可愛すぎか。お姉ちゃんは悟飯の可愛さに骨抜きです。
いやいやと首にしがみつく悟飯をぎゅうっと抱え直して、飛ぶスピードを少し上げる。少ししたら木々が開けたところが現れ、その間から花畑が顔を覗かせた。


「悟飯、ついたよ」

「わぁーい!」

「遠くに行っちゃダメだからね!」

「うん!」


てってけてー、と花畑を駆け回る悟飯から目を離さないまま近くの木に寄りかかって座る。
木漏れ日が少し眩しいけれど、そよそよと吹き抜ける風はとても気持ちがいい。私は目を瞑った。
こうしていると、動物や虫たちの声がよく聞こえる。…そういえば悟飯の声が聞こえないけど。


「おねーしゃ」

「ん?」


ぽす、と頭に何かが被さる気配がした。目を開けるとニコニコと笑顔の悟飯。…なに、どゆこと?


「おねーしゃに、プレゼント!」

「プレゼント…」


そこでようやく頭にある存在に気付く。手に取ってみると、歪ながらも一生懸命に作ったんだなってわかる花冠。


「これ、悟飯が作ったの?」

「まえにごほんでよんだことあってね、おねーしゃに、つくってあげたかったの!」

「…そっか。ありがと、悟飯。おねぇとっても嬉しいよ」


手に持っていた花冠をもう一度自分の頭にのせると、悟飯が嬉しそうに笑いながら私の膝によじ登ってきた。
なんぞ。


「おねーしゃ、およめしゃんみたい!」

「…………………」


私は無言で悟飯を抱き締めました。
ほんと、うちの弟かぁいい…尊い…涙出そう…






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