散文的な何か
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*表記=アンハッピーエンド等ご注意を。


愛らしさ(幽紅/ナルト)

2009/09/26







「幽鬼丸」
「はい紅蓮さん」
「ここ、ご飯粒ついてる」
「あ、ごめんなさい…」
「いや別に謝ることじゃないだろう?」
「だ、だっていつまで経っても紅蓮さんに迷惑かけてばっかりで…」
「別に迷惑じゃないさ。お前はまだ子供じゃないか。私がお前を守るのは当たり前のことだろう?」

 そうなのかな。僕が優しい紅蓮さんを守らなくちゃいけないのに、いつも守られているのは僕の方じゃないか。いつだって僕の手を握ってくれているのに僕は守ってもらっているだけで何も返してあげられないじゃないか。
 椿だって紅蓮さんが僕のために枯れないようにしてくれた。だから、僕が紅蓮さんを守らなくちゃ。優しい場所を与えてくれた紅蓮さんに僕がしてあげられることは何だろう。

「ね、紅蓮さん。僕は紅蓮さんに何をしてあげられる?」
「何の話しだ、幽鬼丸?」
「だって紅蓮さんはいつも僕に優しくしてくれる。椿も帰る場所も僕に与えてくれた。だから僕も紅蓮さんに何かしてあげたい。紅蓮さんを守ってあげたい」
「幽鬼丸」
「はい紅蓮さん」
「私はお前に何かをして欲しいからお前と一緒にいる訳じゃない。私がお前に何かしてやりたいから、だから一緒にいるんだ。分かるか?」
「うん…。でも、でも僕も紅蓮さんに何かしてあげたい。それは紅蓮さんと同じでしょ?」
「…お前は何も心配することはないんだ」
「僕が子供だから?だから紅蓮さんは僕に優しくしてくれるの?」
「…お前はこんな私を必要としてくれた。それだけで良いんだ。私はお前の母親にはなれないが、側にいることは出来る」
「…うん。僕も何も出来ないけど、紅蓮さんの側にいる。僕が紅蓮さんの帰る場所だから」
「…ああ」


 こそっと紅蓮さんに「大好きだよ」と耳打ちしたら、紅蓮さんは「そうか」と笑ってくれた。
 僕には何もないけれど、そうやって笑ってくれるから僕はずっと側にいるよ。
 だから、哀しそうに笑わないで。









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歳の差カップル。
紅蓮さんと幽鬼丸がかわいすぎます。紅蓮さんは可愛いお嫁さんになれますよ。
幸せになーれ!

(タイトルは夏椿の花言葉から)




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