お前の隣は | ナノ

私の想い

御幸に避けられるようになってから、何日経ったんだっけ。
メールすら来なくなって、けど原因が分からなくて、何度か私からメールしたこともあった。
でも全部無視されて、どうしたらいいのか分からなくなって、気づいたら倉持に頼ってた。

あの日昔の話をしてから、倉持はすごく私のこと大事にしてくれてるというか、面倒見てくれる。
最初は何か裏があるのかと思ってたけど、倉持はいい奴だって御幸から聞いてたし私も関わるようになってほんとにいい人だって分かったから、ただ私を心配してくれてるんだって思った。
それに、あの時はっきり言われたし。

『最初見た時はすげー可愛くて仲良くなりたいって思った。
あわよくば付き合えるんじゃねぇかとか考えたりもした。
けどちひろちゃんが御幸のことどんだけ好きか分かったし、俺はそんな一途なちひろちゃんを応援したい』

すごく真面目な顔で言われて、そりゃ驚いたけどそれ以上に嬉しかった。
御幸の友達にはこんないい人がいるんだって。

でも、そんな2人が喧嘩した。
私が倉持に頼り過ぎたせい、なのかな。
朝教室に入ったらクラスメイトが喧嘩してたって噂してて、何だかんだ仲がいい2人が喧嘩だなんてって思ってた。けど休み時間に倉持が私の教室まで来たのを見て、噂は本当だったんだって気づかされた。

倉持は私が聞いても何も話してくれなくて、むしろ私の心配ばかりしてくれる。
けど倉持がここへ来たということは、御幸は今教室で一人ぼっちってことになる。

それじゃ、意味がないの。

私は御幸を苦しめたかったわけじゃない。
一人ぼっちにしたかったわけじゃない。

「…倉持、御幸と仲直りしてほしい」

「いいんだよ、お前には被害ないようにすっから」

「そうじゃなくて…」

倉持にいくらお願いしても聞いてくれなくて、相当御幸に対して怒ってるんだってのが伝わってくる。
でも、喧嘩したままなんて嫌。

だから私は、また無視されるのを覚悟でメールした。
御幸なら話を聞いてくれるかもしれない、今まで無視され続けてるのに、なんとなくそう思ったから。

返事はくれなくてもよかった。
ただ、メールを見てくれれば…。
そう思って送信したら、すぐに私の携帯は振動した。

"心配してくれてありがとな
倉持と話してみるよ"

見間違いだと思った。
ずっと避けられてメールも来なかったのに、なんでかな。まさか返事が来るなんて。
文面上だけど久しぶりに会話したのが嬉しくて、久しぶりに御幸の声を聞いた気がして、私はまた泣きそうになってしまった。

「っ…御幸…顔が、見たいよ…」

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