BがLな高山さん西野さん7
2021/10/25 21:54
BがLな高山さん西野さん6の続きです。
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穿くか、穿かないか。
その二択で揺れ動く西野くんでしたが、もちろん、
「最悪や...かずくんに、引かれちゃう..っ」
穿きます。穿きますよ、そりゃ。
最大の問題は、この先のこと。
高山くんと...するか、しないか。
正直いってしまうと、お互いやると決めてお泊まりしたわけではありません。
はじめてのお泊まり、そのイベントに、『もしかしたら』という期待値が高いだけなのです。
「そうや...ななが、勝手に期待してる、だけなんやし、」
高山くんが、したい、そう思っているかなんて、わからないですからね。
「もし...そういう雰囲気になったら...っ、ごめんって、断ればええねん、」
白いブリーフ一丁という出立ちで、鏡の自分に言い聞かせる西野くん。
“でもかずくんが傷つくかもしれへんし...っどうしよう”とずぶずぶ悩んで再び頭を抱えだします。
あのー、お願いだから早く服着て...?
数分悩みまくったあと、やはり丁重にお断りを入れる、というのがベストな選択だと心に決め、お風呂場から退出。
可愛らしいもこもこのくまさんパジャマを着用した西野くん、部屋に戻ると当然あの変態...ではなく高山くんがうるさく騒いじゃう。
「なッ、!?」
「お風呂、ありがとう...、ちょっと長風呂になっちゃった、」
「か、かわ...っ」
「ん?」
「かわいい..ッ、うああ、なぁくん、これはだめだぁ」
鼻血吹き出す寸前の高山くん、なんとか持ち堪え、まだ髪が濡れたままの西野くんを躊躇なく抱きしめます。遠慮なくガバッと。
「んん...、その格好で廊下歩いちゃったの?」
「ふふあたりまえやん、ほかにどんな格好で歩くん」
「えー、トランクス一丁とか?ふふっだめか!」
あら残念。白いブリーフでした。
「だってさー、くまさんが歩いてんだよ、可愛すぎだし...誰にも見られたくないっていうか...あぁ」
「じゃあかずくんの前でしか、着んとこうな?」
「うんっ、おれの前だけね...っ」
悶絶高山くん、多分あと10秒もすれば鼻血出るから、さっさとお風呂入れますか。
あ、忘れてた、西野くんの髪、乾かすのはもちろん高山くんですね。
バタバタとドライヤーを取りに行って、すぐにかけてあげる。
「へへなんかきもちええなぁ、ねちゃいそう」
「え...だめ、だめだよ..?寝たら」
「じょうだんやって、焦りすぎやで?でも、かずくんがお風呂入ってる間に寝ちゃうかもしれへんなぁー?」
「まじかっ!?ちょっ、おれ、すぐ入ってくるから..!寝ないでねッ」
「だいじょーぶ起きてるから。ゆっくりでええよぉ」
「おりゃぁああっ」
大急ぎで向かう高山くん、とはいえお風呂に入れば入念に身体を洗います。
鏡の前で丁寧にドライヤーをかけ、セット無しでもかっこいいと思ってもらえるよう勤しみます。
「ふううう...よしおっけぇ...頑張れ俺!」
鏡の自分に向かってガッツポーズをキメる高山くん、新しく買ったダークブルーのボクサーパンツを着用。
ちなみに高山くんはボクサー派です。トランクス派ではありません。理由はー、まあ、...ほら、見たらわかるじゃん?これ。立派なモンよ。トランクスだとね、ポジが。大きい子はポジがね、大変なのよ。
高山くんはちゃんとしたパジャマは着ない派。
スポーツマンな彼が着るのは、バスパンに速乾Tシャツというラフな格好。
部屋に戻る高山くん。セットされてないオフな彼の姿にデレデレの西野くんは、すぐ抱きついちゃうよね。
「へへ、かずくん...可愛い、」
「いやいや...おれよりなぁくんのほうが、」
「ううん、かずくんのほうがかわいい」
「あ、アァ...っ」
くまさんな西野くんに抱きつかれてそこ膨れあがっちゃう。
バレないように歩きながら、二人して洗面台へ。
やっと歯磨きタイムです。仲良くならんでゴシゴシします。
「はふふん、はみはひほ、ふいへふへ(かずくん、歯磨き粉、ついてるで)」
「あ、ほんほだ、ふふ、」
「んふっ」
楽しそう。歯磨きするだけでも幸せな画になるよね。ああ、尊いです。
ようやく就寝...になるはずもなく、ベッドの上でいちゃいちゃ。
しかし、先程の問題を抱えた西野くん、ここからが大事です。
「んっ...なぁ、くん」
「はぁ..、んん、っ」
お互い頬を紅潮させながら、唇を重ねる二人、良い雰囲気です。
すっかりその気で“今が、押し倒すタイミングだな“な高山くん。形の良い小さな頭を左手で支えながら、西野くんをゆっくり押し倒します。
深く絡んでたキスを終えて、お誘いの言葉。
「なぁくん...あの...なんとなくわかってるとは、思うんだけどさ、」
「っ、」
「おれ、もうやばくて、ずっとがまんしてて...っその、なぁくんと、」
したい、です。
情欲の灯った瞳で真っ直ぐ西野くんを射抜きます。真剣そのものの彼の表情に、いたたまれない西野くん、絞り出した声は掠れたものでした。
「...か、ずくん...ごめ、んっ」
「...ぇ、」
「今日は、したく、ないねん、」
ごめんな?
高山くん、まさかの予想だにしなかった拒否で、フリーズ中。
混乱する頭が状況を理解した瞬間、真っ赤になる顔、羞恥心でパンク寸前。
「あ...っ、えっと、ごめん...!そっか、そっか...うんっ!」
「ほんまに、ごめんな..、」
「いや!なぁくんは悪くないよ?!すっかりその気になってたおれが、サルだっただけで...!」
「ううん、かずくんはなにも、」
「そうだよなッ、まだ付き合って二週間だし、早すぎたか...っ、別に焦る必要なんてないわけだし、うんっ」
今日は!ふつーに寝よ!そうしよっ
明るく笑って話す高山くん、目に見えて汗かいてるし、超早口だし、身振り手振り激しくなってるし。
「じゃあ、ちょっとおれ、トイレいってくるッ、あ!ただのトイレだからなっ、想像するなよー?」
変な雰囲気にならないよう茶化してベッドから離れていく高山くん。
相当の覚悟を持ってここまで準備して誘ったから手が震えちゃって、背中もめちゃくちゃ小さく映る。
それ見て西野くん、そのままで居られるはずもなく思いっきりその背中に抱きつきます。たかせまるっぽいよねこれ。
「....行かんといて..?」
「.....も、もらしちゃうよここで」
「それは嫌やけど..。
あんな、実は、その、りゆうがあんねん、」
だからななが悪いねん、
正直に打ち明ける決心をした西野くん、高山くんのシャツをぎゅっと握ってます。
「なな、パンツが...」
「え...は、履いてない、とか..ッ」
「ううん、ちがう、はいてる、」
「あっ、そ..そっか...」
おい。いらんとこでショック受けんな。
「トランクス、じゃ、ないねん...持ってきたつもりやってんけど、間違って違うのになってて、」
「?おれもボクサー派だよ?」
「...うぅぅ、だからちがうねん...っ」
ブリーフ、やねん、白の...、
え、なにコレ。なんのシーンよコレ。
我々なに見せられてんの?まあ可愛いから許すけどさ。
「...恥ずかしいやん...だから見られたくなくて、」
「うっ、そ、そっか...っ、アァ、」
声震えてる...けど、現在の高山くん、そんなの頭に入ってません。
以前申し上げました通り、高山くんは、ショタコンです。超絶ショタコンなんです。
ショタコン偏差値98の高山くん、現在の頭の中とは....
“え?!白のブリーフ?!なぁくん今、白のブリーフ穿いてんの?!(妄想の中で)俺が調教したなぁくんでさえ白のブリーフは穿いてなかったぞ?!それがまさか現実のなぁくんが穿いているとは...!100発、いや1000発はイケる!やばいやばいやばいっ、”
“今日という日を、逃してなるものかッ!!”
「ふぅ、えっと、なぁくん...?」
「ん...?んんッ!」
高山くん史上一番強引なキス。
すでにボクサーパンツはちきれそうな程膨らんでるし、この暴走を抑えられる方法は、タイムマシン作るのと同じぐらい難しいはず。
ドスっと音を立てて、押し倒される西野くん、狼に食べられるひつじさんに早変わり。
「できない理由は、それだけ、なの?」
「....うん、それだけ、やで?」
「なぁくんは、おれと、したい..?もしもいやだったら、今すぐ拒否して?」
「...っ、かずくんはさ、引かへんの...?ななが、白のブリーフ穿いてても、」
「ふふっ、引かないよ...、引くわけないでしょ?」
「ななが...童貞、でも...?」
「ッ...?!もちろん..引かない。おれがはじめてなの、嬉しいから」
“うそだろ?!あんなにモテモテのなぁくんが童貞?!そりゃ恋愛興味ないとかいうけど、それなりに経験してるからこそ、だと思ってた...まさかのおれが、なぁくんのはじめて....!!”
ボクサーパンツ爆発しそうな高山くん、落ち着いて...って無理か。
「かずくん、」
首に腕を回して、誘う西野くん。
西野くんのブリーフもパンパンです。
「ななのはじめて、もらって...?」
ようやくスタートしはじめた二人。
さあ、ぶつかれ、せーへき。
てっきり致すと思ってた人、ごめんなさい。
次回よ、次回、まってて。
いちおう18きんだから、見れる人だけみて。
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