BがLな高山さん西野さん6
2021/10/24 11:03



BがLな高山さん西野さん5の続きです。

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この二人が致すなら、おそらく付き合いはじめて、二週間たったぐらいが丁度いいと思うんです。

高山くんの剣道の試合を応援しにきた西野くん、固唾を呑んで見守っています。

「え!あれかずやくんじゃない?!」

「本当だっ、やば!ちょーイケメンっ」

黄色い声援が聴こえるたびに舌打ちしてたり。
“帰れ帰れ、養豚場に帰れ”な西野くん、こらこら、女の子をブタ扱いしちゃダメでしょ、落ち着いて。

試合中の高山くん、めちゃ真剣だけど、確実に西野くんの視線すごい意識してる。
“俺の顔大丈夫か..?事故画になってないか..?ってお面で見えないか!”な高山くん、うん、君も落ち着いて?

そんな高山くんだけど、試合は余裕で優勝。剣道部主将な彼は、あっという間に面を勝ちとる。
強豪校ってわけじゃないけど、高山くん強すぎて、気づけば強豪校扱いになってるよね。

試合終了後、お面取ってにこにこしながらバイバイしてくる高山くんに、キュン死にしちゃってる西野くんほぼ息してない。
それ見て、他の子たちも騒いじゃう。

「え!かずやくん今誰に手振ってた!?」

「うわーッやっぱり彼女いるのかな?!」

“はい、私が高山一也の“彼女”ですが、何か?”な西野くん、平然とマウント取ってきます。
ということで、全てのJKに告ぐ。悪い事は言わない、今すぐ諦めましょう、相手が悪すぎます。


それから夕方になり。

「かずくんっお疲れ様、優勝おめでとう」

「へへなぁくんが見てるからね!張り切っちゃったよ」

制服に着替えて、ポカリ飲みながら歩く高山くんと一緒に帰ります。
向かうは同じ家。普段よりちょっと多めの荷物を持ちながら、その先で待ち受けているコトに心拍数バグってる西野くん。

そう、そうです。
待ちに待ったスペシャルイベント、はじめてのお泊まりです。

お洒落で可愛いパジャマを選び、新しく買った水色のトランクスをリュックに突っ込み、念入りに身体を洗い、そういうコトも我慢し...、とにかく気合が入ってる。

恋人になってからは、はじめてきた高山くんの部屋。
ドアが閉まった瞬間にかかる鍵、やっと二人だけの世界に。
腰を引き寄せられる西野くん、すっかり慣れた様子で高山くんの首に腕を回します。

身長は13センチ差。178センチの高山くんと165センチの西野くん、ちゅっちゅにはぴったりな身長差です。

「ん...?ちゅ、したい?」

「かずくん...いじわるや..っ」

「いじわるじゃないよぉ、なぁくんが言ってくれないと、おれわかんないよ...?」

おでこくっつけながら話してんのに、何もしてくれない高山くん、今日はちょっと意地悪です。

それもそのはず、高山くんもかなり気合が入ってる。
試合よりここの試合の方が大事だ...なんて師範に言ったらころされてしまうので言えませんが。
あとは西野くんの反応を伺いながら、今日いけるかどうか、そんなことも真面目に考えています。

「ちゅ...したい...かずくん、」

「ん、かわいいなぁくん、」

「へへ、恥ずかしいやん...」

真っ赤にして俯く西野くんのあごを、くいっとあげて強引にいきます。
ほっぺに手を添えながら深めに口付けて絡めて。
気持ちよさそうに震えちゃう膝を見落とさない高山くんは、しっかり支えてあげるよね。

部屋では美術室と同じように、くだらない話で盛り上がり笑い合う二人。
ちょいちょいキスしたり、いちゃいちゃ収まらない。


夜になり、お風呂が沸きました、なお時間。

「お風呂、お先にどうぞっ」

「なな後でもええよ、」

「いやいや、お客様だから」

いかにも日本人なやり取りのあと、高山くんに誘導されてお風呂へ入る西野くん。
部屋に取り残された変態...ではなく、高山くんは、

「うわぁぁあ、やばいやばい、一発ぬいとくかッ、」

「いや!だめだだめだリラックスしろ、ひぃひぃふうう」

......なんとか落ち着きを取り戻すのでした。


一方、お風呂に入る西野くん。
昨日と同様、入念に身体を洗います。
“かずくんはいつもここで身体を洗って...っ”という煩悩を捨てながら、この先待ち受けていることを冷静に捉え、深呼吸。我慢です。

持ってきたリュックから、本日着用するパジャマと水色のトランクスを...、


「....えッ、うそ、やろ...っ」

....水色のトランクス...がない。

“確かに入れたよな?!昨日ちゃんと入れたし、無いはずない!”血眼になって探す西野くん、リュックをひっくり返し出てくる荷物。

「は..?なにこれ...、ッ!!」

その中に紛れていたのは...お気に入りの、白いブリーフ。
普段体育が無い日に穿いているもの。
トランクスやボクサーは、体育がある日に穿く用のもので、いつもお気に入りはこの白いブリーフでした。

「こんなん..穿けるわけないやん...!」

“かずくんに見られたら...っ”最悪な考えが頭をよぎる西野くん。引かれるのが嫌なんでしょう。
童貞感あるソレ...まあ、童貞なんですが...見られるのは恥ずかしいですよね。
ですが、だからといって同じパンツをもう一度穿く...なんてしたくない。

ひらひら。頭を抱えてしゃがみこむ西野くんの前に、一枚のメモが。


『おれの“真冬乃湯けむり旅”返せ』

一目でわかる。弟、飛鳥くんの字。

飛鳥くんお気に入りのセクシー女優、春元真冬の裏DVDを数ヶ月前に借りたままの西野くん、その報復が今日やって来たようです。


「そんなん覚えてへんし...ッ、あぁ、もう、」

どうしよう...っ、
泣きそうな西野くん、果たしてどうなるのか。



おっと、また長くなりそう。
小話じゃなくなるところでした。
危ない危ない。




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