普段の劉と水嶋

「……あァー……? 彬ァ、俺ピックどこ置いたっけ」
「さっき居眠りしてるときにソファの後ろに落としてたぞ。ギター持ったまま寝るなよ。寝れてないのか」
「いや寝てる。でも夢見悪くてヤベェ。ああ、あった」
「あー、そういえばそんな時期か」
「マジで最悪。何でセシルに乗っかられてる夢を見なきゃなんねえんだよ」
「悪夢だな」
「たまにトーリになってる」
「悪夢だ」
「彬ちゃんなら最高なんだけどなァ」
「言ってろ」
「……うちの彬ちゃんがつれねえから中川ちゃん犯してくる」
「朝比奈さんに逮捕されろ」
「蓮介も犯してえよなァ」
「お前自由すぎだろ……」
「自由じゃなきゃ俺じゃねーだろ」
「俺は雷翔はもう少しおとなしくするということを覚えれば良いと思ってる。いったいどれだけ手を出す気だよお前は」
「俺まだ拓哉と龍と凛太郎犯してないンだよな」
「おい、確か小野寺さん彼女いるぞ」
「知るか」
「うわあ……」
「ようは龍が手前のブツ使わなきゃ浮気になんねーだろ。セーフだ」
「どこがだよ……。待て、まさか他にお前が名前で呼んでる人」
「そらちゃんと中川ちゃんと亮次とトーリは食った」
「さいあくだこいつ」
「あ、中川ちゃんstellaのファンだとよ」
「さいあくだおまえ」
「俺が一番好きだってさ」
「最悪だろほんと雷翔お前……ファンに手ぇ出すなよ……」
「彬ちゃんに言われたくねェなァ。知名度利用して女引っ掛けてたくせに」
「引っ掛けてない。勝手に寄ってくるだけだ」
「それで食ってたら同じことだろォが。……あ?」
「どうした?」
「いや。ほら、前に俺がラブホから出てったの記事にした奴いたろ」
「あぁ……。部屋の鍵なくしたからって適当に引っ掛けて泊まったときの」
「あいつが俺ら敵視してんの、ひょっとして彬ちゃんがあいつの女食いでもしたんじゃねーの」
「心当たりねーよ。つうか、それお前にも言えるだろ。お前男も女も関係なく手当たり次第だから」
「ほんとに手当たり次第だったら黒人部隊とか隼も食ってると思う」
「……やめろ想像した」
「隼ってあいつ、バリネコだよな」
「やめろ馬鹿!」
「いてっ! ボールペン投げんなよ危ねェな! 犯すぞてめえ!」
「お前が変なこと言うからだろ!」
「どこがだよ、率直な感想だろォが」
「感想?!」
「――水嶋、劉。ご主人様がお呼びですよ」
「あ、橘」
「何の用だか……」
「3Pじゃねえ?」
「なんでお前はそっちにしか考えられないんだよ変態」
「はァ? 変態はお前だろ。無理矢理二本差しされてイったくせに」
「それはお前がさんざん――」
「くだらない口論をしてないで早くしなさい」
「はいはい」
「チッ……」
「彬、今晩絶対犯す」
「はぁ?!」
「劉。蒸し返すんじゃありません。黒人部隊全員に襲わせますよ」
「……黙ります」
(雷翔が引いたうえに敬語使った……だと……)
「……居眠りしてて目を開けたらエミリオが天井から這い出てきていたことがあった。ゆっくりと、俺を見ながら」
「え」
「下手なホラーより恐ろしかった」
「…………そうか……だろうな……」
「という夢を見てから俺はエミリオが苦手だ」
「夢オチかよ……!」

スイッチさえ入らなければ普通な雷翔

prev | next | top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -