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落英の幻影(三幸)

 恐ろしい夢を見て、俺は跳び起きた。
 呼吸が苦しく、胸が重い。ぐしょりと汗をかいていたらしかった。不快だった。
 まぶたの奥によみがえる顔。
 幸村の笑顔。
 お前を救えない夢だった。
 お前ではなく秀吉様に駆け寄った俺が振り返ると、お前は安心したように笑っていた。
 唇が形作る「それでいいのです」。
 ぽたりと水滴が布団に染みを作った。俺は静かに顔を伏せた。





×××
 報われねえっ…。
 どうしようもない状況は本当につらい。
 
 


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