星 の 戯 れ
`I love you' that I could`nt say.
どうして
「ちょっと、大丈夫?顔色悪いわよ?」
同じクラスの子が声をかけてくれる。そんなにひどいのだろうか。確かになんとなくフラつくような気がする。
「辛いときは無理しないで医務室に行くんだからね?」
「うん、ありがと…。」
でも別にどこか痛いわけでもない。友達の忠告は有り難く受け取ったが、医務室に行くほどではないな、と判断した。
その後も普通に授業を受けて、わたしは寮に戻った。
この時間の女子寮は、大半が夜間部を見に行ってしまうためすごく静かだ。
おまけに運良く一人部屋。部屋に帰るとわたしは真っ直ぐベッドに行き、うつ伏せになった。
横になると急に身体のだるさを感じ始める。やっぱりどこか悪いのかな?額に自分の手をあててみても異常は感じられない。
そこでふと思った。
(もしかして……寝不足、のせいかな…)
身体が睡眠を欲しているのだろうか。
そうは思いながらも、この時間睡魔はやって来ない。気付けば窓の外はすっかり陽が落ちて、夜の訪れを知らせている。
吸い寄せられるように外に出る。今日は曇っていて星が見えない。
それでもわたしは空を見上げる。
―――あの人と会うのはね、いつも夜だった。だから自然といつも2人で星を眺めるようになったの。
そういえば夜間部の彼と会うのもいつも夜だ。思い出すのは、グレーの瞳。
少し怖くなるくらい、あの瞳にわたしは引き込まれそうになった。だから慌ててキャンディーをあげたりしたのかもしれない。
今日は、まだ来ないな…キャンディー、食べた、かな……。
身体が傾いていく。視界が揺らぐ。わたしはそのまま倒れるように意識を失った。
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