Epilogue




 反転は斜陽を曙光に変えた。
忠誠を愚鈍に、矮小を強大に。畏敬を侮蔑に、僭称を偉業に。崇高を滑稽に、罵倒を喝采に。
 浮遊と帰着とを繰り返すそれらは、時にぐらつき、時に衝突し、時にゆらぎながら、静謐な面の下、確定を得ることなく流転する。
 落日の色彩は黎明に蕩け、鮮烈な彩りは日脚に融けた。
 薄闇に湧いた酷薄な光は、喰らうように蝕むように、染み渡るように、滲んでいく。

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