Chapter 4


 精々がこんなものか。麻痺していく四肢と肺を軋ませる重苦しさに、所詮は身体など肉の塊にすぎないと思い知らされながら、そんなことを思う。根づく土地のない浮き草は、どんなに他者を蹴落としたところで咲き誇ることはできないらしい。
 しがみついていたかったから、逃げ出したはずなのに。
 僕が抱きしめている漠然としたものは、おそらく、執着や固執の対象であるということ以上の意味を持たない。それでも、それを手放してしまったのなら、僕は浮き草をやめることすら躊躇わないだろう。
 その結果がこれなわけだけど。

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