◎ 03
†
彼とわたしは、付き合っていた。年数にして3年ほど。彼が大好きでいつプロポーズされるだろう、と夢を見ていた。本当に、夢で終わってしまったけど……。
彼は、二股をかけていたのだ。私と……会社で出会った女と。
一ヶ月後、俺、結婚するんだ、と言われ何を言っているのだろう、と耳を疑った。
お前とは遊びだった。居心地が良かった。イママデアリガトウ……。
許せない。
わたしとは遊びで、たった2カ月付き合っただけの女とは、結婚出来るの?
信じられない。だが、覆されない事実。現実。
残ったのは、惨めな気持ち。
そして、彼に対する恨み、憎しみ。
相手の女への嫉妬、憎悪。
負の感情が胸を占めた。
『復讐しよう』
その結論に至るまで時間はかからなかった。
わたしを裏切った彼と、彼を奪った女に報復する。
憎悪は膨れ上がり、二人を『殺したい』と思うようになった。
だけど、法律や道徳がそれを邪魔する。どうにか、二人に死を、と思っていた時に『アネクドート』と出会った。
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