07

「……ッ貧乳で悪かったなああああああ!!?」
「ぶふっ!?」


痩せた身体のどこにそんな力があるのか。彼女は一度身体を沈ませ、勢い良く突き出した拳を、男の顎にクリティカルヒットさせた。


――さながらそれは、ボクサーがK.O.を取ったようだった、と小虎と真也はのちに語る。


「平城、壊して!」
「えっ、あっ、うん!」


グシャ、と平城は沙弥が銃層を抜き、投げた銃をキャッチし、一瞬でゴミクズにした。


「な…!!!」


残った男は心底驚き……小虎はそれを見ながら「相変わらず馬鹿力……」と真也の能力にあきれていた。


「こっちは解放された。武器も壊したし、卑劣な方法取るなら誘拐した方がマシだったかもね……その子を離せ!」


沙弥はこの場に居る男二人よりもずっと男前な台詞を吐く。


「うっ、うるせえ!」
「なんなら、私が代わりになる」


沙弥は、毅然として見ず知らずの千百合に身を差し出す。その度胸に男も焦りを見せる。だが、一番焦ったのは真也だ。


「だっ、ダメだよ田村さん! それなら俺が……っ!」
「なに言ってんだ!二人を巻き込めるか!俺が……っ!」
「女だけど慣れてる私の方が良いだろ? 私で……」
「女の子だからだよ……俺がっ!」
「田村と平城は黙ってろ!俺がっ!」


男は人質を誰が代わるかで揉め出した三人にポカーンとする。


「ちょっと、あなたがそこで「俺がっ!」ってやらないとおわらないじゃない」
「は!?」


……あげく、人質の千百合にダメだしをされる。小虎はつい癖で「高坂、それド●フじゃねーか!俺ら遊んでるわけじゃねーよ!」と突っ込んだ。


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bkm



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