04

――ところで二人は、小虎と沙弥を見える位置で、なおかつ死角の席を上手い具合に取っていた。小虎と沙弥は楽しく話しながら、ケーキをつっついている。席の遠さで声は聞こえないが楽しさは伝わる。千百合と真也はギリィ、と歯を食い縛りながらそれを見ていた。


「真也くん、わたしは……もう少し二人の後をつけてみようと思うの」
「……賛成だね。二人が付き合ってると確証があるわけじゃないし」


そう頷き合った瞬間、二人は信じられないものを見る。


「小虎、クリームついてる」
「えっ、どこだ?」
「……ほら」
「わりぃ、ありが……って舐めてんじゃねぇ!」
「ぶっ……小虎って反応可愛いよなあ」
「お前女だろ!なんでそういう様になることするんだよ!?」


カチャンッ
ガチャン!



千百合はフォークを取り落とし、真也は持っていた紅茶のカップを取り落とした。




――小虎が口の横につけたクリームを沙弥が指で拭い、その自然な動作で舐め小虎が物凄い勢いで照れた。一見すると、付き合いたての(見方にすると腐的な)カップルにしか見えない。


千百合は嫉妬でぶるぶる身を震わせながら、真也に聞く。


「……ほんとうに、女の子?」
「正真正銘女の子だよ!!ちょ、ちょっと!……いや、すごく男気があるだけで……」


真也は今日ほど、沙弥の人タラシを呪ったことはなかった……。



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bkm



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