03


「……つまり、あの男の子は実は女の子であなたの、真也くんの想い人で、山月くんとは友達だったのに、なぜかデートをしている、ということね?」
「そういうこと……君は…高坂さんは山月くんが好きで、ショッピングしていたらたまたま二人を見て、気になって後をつけたってことで良い?」
「…ええ」


鼻眼鏡を外した少女は「高坂千百合」と名乗った。鼻眼鏡を外すと、顔立ちがハッキリした美人で平城は驚いた。表情は話していてぴくりとも動かないが、鼻眼鏡をなぜかけていたのかと聞いたら「変装」と言ったので、少し変わっている子だなと真也は思った。


「…でも真也くんがはなしかけてくれてよかったわ……」


平城はホッとしたように言う千百合に首を傾げる。


「あの子が男の子じゃないと誤解がとけなかったら、わたし…性転換していたもの」
「なっ、なんで!?」


彼はとんでもないことを言われて驚く。


「山月くんが男の子をすきだって思って……それなら男の子になるしかないと……」
「高坂さん、それは極端過ぎない!? 俺は田村さんが同性を好きでも……」


彼はそこで、はた、と思った。「高坂さんの考えも間違いではない」と……。同性が好きなら、「好きの箸にもかからない」のだ。何せその好意は異性に向くことはない。


それなら性転換するしかない、という彼女の極端な意見にも……沙弥に想いを寄せる盲目な彼は頷けた。


「ううん……俺も性転換するかも」
「でしょう?」


変なところで意気投合する二人。恋は盲目と良く言ったものだ。




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bkm



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