釘バットボーイと、驚喜を手に入れた俺。 | ナノ

02





「――なんだ、アレ」
「話そうと思ったのは、そのアレなのだよ」



声を低めてノトと話す。どうやらノトは西東の有り様の事情を知っているようだ。



「なんか、闇討ちされたらしい」
「闇討ち? なんてファンタジー」
「ふざけるなって。マジなんだから」
「そこ詳しく」
「ああ――最近、不良が闇討ちされるのが増えてるらしいんだ。犯人は釘バットを持った小柄な少年らしい」
「は――……それ、なんてラノベ?」
「現実だっつーの! 西東だって昨日襲われたんだからな!」


なんというか、現実味のない話である。釘バットを持った小柄な少年が不良を闇討ち? なんのために? しかし釘バットとは、物騒だ。


「釘バットを持った美少女となら知り合いてぇんだけど、ヤローだからなぁ……」
「それこそ、なんてラノベ?」
「釘バットを持った美少女が空から降ってこねえかなぁ」
「撲殺されて死ぬって」
「美少女だったら笑顔で死ねる」
「黙れロリコン」
「人類皆ロリコンだろ? 弟よ……」
「マジうぜええええ」



ノトの妄想は具現化しないとは言え、物騒な事件は現実のものだ。ちらと西東を見たが、あの怪我はかなり痛い。客観的に見ても痛いなら、襲われたとき本人は相当痛かっただろう。



「目的はなんだろうな」
「シンプルに復讐とかじゃねぇの。不良を煙たがっているやつなんて、たくさんいるしさ――あと、俺が言いたかったのは…コスガ、お前気を付けた方が良いぞ」
「なんでだよ」
「さっき不良って言ったけど――なんか襲われているの、お前の中学出身ばっかりだったからさ」



……ああそうだ、西東は同じ中学だ。それとこれは関係あるのか、と言われればまだ縁は薄いように見える……でも、少し引っ掛かった。


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