釘バットボーイと、驚喜を手に入れた俺。 | ナノ

01




「コスガ、あり得ない話聞いてくれる?」
「なんだよ、ノト」
「いや、それがさ……」


登校してすぐに話しかけてきたのは隣の席の能登(のと)。クラスでつるんでいる気の良いダチ。俺は課題ノートを閉じて耳を傾ける。


――ガシャンッ!


だが、乱暴に開けられた扉の音で話が途切れる。


クラス全員の目が乱暴に開けられた扉に向けられる。――そこに居たのは、顔を包帯でグルグル巻きにされた、不良・西東が居て。


「ッンだよ……」


不機嫌そう呟き、自分に集まった視線を蹴散らす。……西東と言えば、この学校でそれなりに強い不良だ。喧嘩をしても、こんな、フルボッコにされた様子なんて見たことがない。


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