97 みんなで朝ごはん
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「うーん、疲れた!」


只今朝の9時。あれからまた寝てあたしはすっきりです。ちょっと前に目が覚めたんだけど、その時はみんなまだ夢の中にいました。昨日と一昨日とずっと運動してたんだから当たり前だよね。(しかも今は体が小さくなっちゃってるんだし疲れが倍になるのかな)布団がずれてる子には掛けなおしてあげて、あたしは今朝食の準備を終えたところです。


「…腹減った」
「あ、仁おはよ。朝ごはん出来てるよ」


ちょうど出来上がったところに仁が起きてきた。ちょうど良かったかな、仁に運ぶの手伝ってもらって食堂に運び入れてみんなを起こしに行く。(仁は食堂で待ってるって言われました)(たぶんというか絶対起こしに行くの面倒なんだよね)


「みんな箸は使えるよね?」
「…」
「やだ冗談だからそんな目で見ないでよ」


ちょっとした冗談で言っただけなのに若にすごく睨まれてしまった。こ、こわいよ若…。ごめんって、と謝って仁の隣に座る。もとから使ってた食堂は中学生の姿のみんなが全員入ってもちゃんと納まるくらいの大きさだけど、幼児になった彼らにこの部屋は広すぎるのではないかと思う。だって小さくなる前は3つ使ってた長机も、今は1個と半分で事足りる。膝にリョーマを乗せて、みんなが揃ってることを確認して手を合わせる。


「じゃあいただきまーす」
「「「「「いただきまーす」」」」」


うんやっぱり、和む。ご飯と目玉焼きとベーコン、それにお味噌汁というものすごく簡単なものだけど、みんなが文句ひとつ言わずに食べてくれてよかったなあ。そんなことを思いながらリョーマにも同じメニューを食べさせる。いくらこの姿だからって元は中学生なんだし離乳食なんかを食べさせたらかわいそうだよね。ちょっとずつ口に入れてあげるとちゃんと噛んで飲み込んでるから大丈夫だと思うけど。


「ねえゆか」
「ん?」
「おれたちいつもとにもどれるんすか?」


英二にくいくいっと服をひかれて、桃に尋ねられる。うーん、いつ戻れるのかなあ?


「景吾くんがすぐなんとかしてくれるよ」
「あとべが?」


今みんなのためにパリにまで飛んでるんだよ、と伝えるとじゃあそれまでたのしもっと、と英二が笑った。やっぱり図太いなあ、この子。お昼食べたら遊びに行こうにゃ、とモグモグ言わせながら言ってる英二に心底そう思った。(全然悪い意味じゃないよ!)それにしてもさ、なんか…


「なんか結婚したみたいだね」
「…は?」


ね、と仁に笑いかけると珍しくぽかんとした顔をされました。だってさだってさ、元のままなのあたしと仁だけだし、なんか子だくさんって感じじゃん。そう言うと一気に部屋の中がしーんとしてしまった。…え、なに?






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