93 すねた子供
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「んー、いいお湯だったね」
「…」
「大丈夫?」


なんだか仁がぐったりしてるんですけど。みんなそんなに暴れてたのかなあ。今はみんなで寝る予定の大広間にいます。みんなに布団持ってきてと言おうと思ったけどこのサイズのみんなにそれを言うのは可哀相だよね。ってことでリョーマは秀くんに預けてあたしと仁で布団を運んでいるところであります。あたしは掛け布団1枚、仁は敷布団3枚を持ってるんだけどよくそんなに持てるよね。そう言ってあたしももう1枚持とうとしたら仁に止められてしまった。あらやっさしー仁とか思ってたらこけても助けないとか言われました。失礼な。


「よし、じゃあ寝る?」
「えーまだあそぶ!」


なんかさ、みんな明日は練習しなくていいからってハメをはずしすぎじゃないですか。枕投げなんかも始まってしまって眺めていたら一人布団に丸まっている人物が目に入った。


「赤也?」


それは赤也で、呼んだら布団からチラリとあたしを覗いてまた引っ込んでしまった。あれ、なんか拗ねてる…?そう思ってブン太に視線を向けると口パクでゆかと風呂に入れなかったから拗ねてると教えてくれた。うーん、そっかあ。そう言われてもなあ…。


「赤也」
「…なんすか」
「ちょっと散歩行こっか」
「…いかな、わっ!」


行かない、と言われる前に赤也を抱き上げた。驚いた声を上げる赤也を無視してブン太と雅治に「赤也借りてくね」と言い仁に「ちょっと散歩してくる」と言って大広間を出た。



さあ、この拗ねてる子をどうやって説得しましょうか。






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