92 たるんどる!
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「英二、ジロちゃん、走ったらこけるよ」
「うんっ」


にこっとそう言うジロちゃんに頬が緩む。(さっきからあたし緩みまくりです)それとは反対にわあ〜と広いお風呂内を走り回っている英二にこら!と怒ると英二はシュンとしてごめんなさい、と小さく謝った。


「ほら、みんなは大人しくしてるんだから」


だから騒がないでね、と言うと英二は「はーい!」と返事をしてシャワーをしに行った。うーんやっぱり可愛い。普段でさえ可愛いのに小さくなると可愛さ倍増だよ、ほんと。そんな事を思っていると隣の男子浴場の方から大きな声で笑い声が聞こえた。仁はちゃんとみんなを見てるのかなあ。


「おまえいやじゃないのか?」
「ん?」


リョーマを抱っこしたまま湯船に使っていると(ちなみにリョーマにもちゃんとタオルを巻いてます)隣に座っていた若がそう言ってきた。嫌ってなにが?と聞くと何故かため息を疲れる。…なんだ。


「ふつういやがるだろ」
「そうだぜ。おれらちゅうさんだってわかってんだろ?」
「んーだって今はちっさいし」


若の隣にいるチョタのそのまた隣にいる亮まで話しに参加してきた。嫌じゃないかっていわれてもなんでか別に嫌ではないんだよねえ。そう言って不思議だね、と言うと二人にため息を疲れてしまった。何だその反応は。失礼な。それにしてもなあ、


「みんな可愛すぎる」
「は?」
「もうやっばいよね、可愛いわほんと」


なんだか怪訝そうな視線を送ってきた若は無視。チョタと目が合ったのでニコッと笑うとぼんっと赤くなられてしまった。あらあら、のぼせちゃったのかな。そろそろ上がらないとみんなのこの体にはこのくらいでも長湯になるんだなあ。そんな事を思いながらもうあがろっか、と言おうとすると男湯の方から声が聞こえた。


「ゆかちゃーん!」
「(忍足くんだ)」
「ゆかちゃん!いまからそっちいくね!」
「(…は?)」


忍足くんに呼ばれてなんだと視線を向けると(隔ててはあるけど上のほうに隙間はあるのです)キヨ君の声で今から行くね!と聞こえて首をかしげる。来るってあんた最初にダメって言ったじゃないか。忍足くんの声も聞こえたりして本当にこっち来る気なのだろうかと思っているとギャアギャア聞こえいた声がピタリとやんだ。


「ゆかー!ぜったいいかせねえからあんしんしろー」
「たるんどる!」
「あ、あくつ、そのへんでいいんじゃ…」


…なんか変な声聞こえた。声もちっちゃい子みたいになってるから一瞬真田くんだって分からなかったよ。絶対行かせないからというがっくんの声が聞こえて、秀くんの声も聞こえた。っていうか仁なにしたのよ、たぶんキヨくんになにかしたんだろうけど怖いから聞かないほうがいいよね。


「…あがろっか」
「…そうだな」


ため息をつきたそうな亮に言うと(若はもうため息をついてた)亮が寝て湯船に鼻辺りまで使ってるジロちゃんを連れて上がってくれた。その後に続いてチョタに若、英二に薫ちゃん(そういえば薫ちゃん大人しかったなあ)が続いて浴槽を出て行った。みんなが着替えて外に出てから上がるといっておいたので、あたしはしばらく待機。リョーマは亮が引き受けてくれた(まあ見られるの嫌だろうしね!)






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